SWS調査:薬物中毒が増大すると考える人が増加

昨年10月に、悲嘆している母と共にマニラ通りで死んで横たわっているところが紹介された、オールドリン・カスティーリョのような麻薬容疑者の路上での処刑は、政府の麻薬戦争に伴う虐殺に対する抗議を引き起こしました。12月の調査は、薬物が蔓延し続けるという、人々の認識を麻薬反対運動がほとんど変えていないことを示しています。(AFP通信)

フィリピン、マニラのソーシャル・ウェザー・ステーション(SWS)が行った最新調査結果によれば、薬物中毒が彼らの周辺で蔓延すると信じているフィリピン人の数は増加しています。

昨年の12月行われた調査の結果は、路上での処刑と警察の手入れにより麻薬容疑者が何千人も死亡したことが非難され、物議を醸している警察による反麻薬作戦計画を政府が再開したことを受けて発表されました。調査結果は、通りが安全でないことや強盗に対する恐れが残っていることも示しました。

2017年12月8~16日に行われたSWSによる調査の結果によると、回答者の42パーセントは、「禁止薬物中毒になっている多くの人々」が自分たちの近隣にいると思うと答えています。その数は、昨年9月の37パーセントから上昇していました。

ホーム・セキュリティ
また、回答者の59パーセントは自宅の近隣で、自分の家で強盗の犠牲者になることを、「人々は常に恐れている」ことにも同意しました。その数は、9月に示した54パーセントから上昇していました。
ほぼ半数(48パーセント)が、「近所は安全でないので、人々は通常、夜中に通りを歩くのを怖がっている」という回答に同意しました。そのパーセンテージは9月からほとんど変化していません。

しかし、調査結果によれば、2017年には犯罪を恐れているフィリピン人の数は、2016年の数値と比較して減少しています。
2017年の平均値は、「強盗を恐れている」が57パーセント(2016年は60.3パーセント)、「安全でない通りを恐れている」が49.8パーセント(2016年は50.5パーセント)、「麻薬中毒者を恐れている」が44.8パーセント(2016年は56.3パーセント)でした。

より安全に
9月から12月の間に、犯罪の被害に遭ったと答えた人々の数はわずかに増加しましたが、今では安全性が高まったと主張している成人の数は全国で増加しています。
過去6ヶ月の間に貴重品をとられたり、または身体的に傷つけられたりといった犯罪の被害にあったと報告している世帯数は、9月の6.1パーセント(140万世帯)から、7.6パーセント(およそ170万世帯)に上昇しました。

調査は、1,200人の回答者に対する対面インタビューにより行われました。全国平均ではプラスマイナス2.5パーセント、地域別ではプラスマイナス6パーセントの許容誤差があります。
犯罪の被害にあった人の12月の割合は、2016年6月以来最も高く、11.4パーセントでした。しかし、2017年の第4四半期の残りの期間の一般的な犯罪被害者の割合は記録的に低く、6.1パーセントでした。犠牲者の割合が最も低かった月は6月で、3.7パーセントでした。

路上犯罪
路上強盗、侵入、自動車の盗難などの窃盗犯罪の被害にあったと答えた人々の割合は、9月の5.8パーセント(130万世帯)から12月の7.1パーセント(160万世帯)にまで増加しました。これは2016年6月に見られた10.9パーセントに次いで最も高い数値になっています。
さらに、調査は、2017年の最終四半期に4.6パーセント(およそ100万世帯)がすりの被害にあったと述べていることを明らかにしました。その割合は、9月に4.4パーセント(およそ100万世帯)でした。12月には、少なくとも3.4パーセント(790,000世帯)が自宅への侵入の被害にあっており、この割合は9月の2.4パーセント(524,000世帯)から上昇しています。

自動車の盗難被害にあった人は、9月の0.2パーセントから上昇し、12月では1.2パーセントでした。
暴力行為の被害にあった人は、9月の0.5パーセント(115,000世帯)よりわずかに増加し、少なくとも0.8パーセント(188,000世帯)でした。

薬物からもたらされる負の連鎖

世界中の麻薬政策については、多くの課題が浮き彫りになっています。今後は薬物中毒者が健全に社会復帰できるような取り組みも視野に入れた活動が必要になってくるのではないでしょうか。薬物を厳しい規制したとしても、フィリピンのように一向に撲滅できず、血で血を洗う最悪の結末だけは避けるべきだと考えています。