ミレニアル&Z世代はCBDに夢中!

カンナビジオールという名前でも知られるCBDは、現在最も話題の健康トレンドで、海外ではCBD商品はさまざまな飲食物に添加されているほか、サプリメントとしても注目が高まっています。

CBDの売上も商品も増加傾向が続く

健康トレンドは現れては消えていきますが、CBDは今のところ消える兆しを見せていないどころか、ますます盛り上がっています。

カンナビジオールという名前でも知られるCBDは間違いなく、現在最も話題の健康トレンドで、海外ではCBD商品はさまざまな飲食物に添加されているほか、サプリメントとしても購入できます。

イギリス大麻商業協会によれば、CBD利用者数は2018年の12万5000人から25万人と倍増し、世界最大の大麻企業キャノピー・グロース社によるイギリスの美容ブランド「This Works」の買収はイギリス市場におけるCBDの急成長を表すほんの一例です。

 

CBDオイルは鎮痛から不安障害・うつ病までさまざまな疾患に使われていますが、大麻と混同すべきではありません。

大麻はこれまでに10代におけるうつ病の原因の一つと関連づけられる、と英国民医療サービスは述べています。

CBDは大麻草に含まれる精神活性作用を持たないカンナビノイドで、一般的に大麻使用と関連づけられる“ハイな状態”を生み出すカンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)です。

CBDオイルに含まれるTHCは0.2%未満なので、イギリスでも合法的に購入・使用できます。

イギリスにおけるCBD人気の急上昇は、2018年に100億ドル以上も合法的な大麻製品を売り上げたアメリカの成功を遅れて反映しているのかも知れません。

Z世代(2000年から2010年生まれの世代)は一般平均の約2倍もCBDを使用する傾向にあり、イギリスで5人に1人がメンタルヘルス疾患を持つことを考えれば、CBDの利用がこれほど早く増加しているのも不思議ではありません。

調査で分かったアメリカのCBD使用者像も若手が中心

またフロリダ州の営業&マーケティング会社ACOSTAによる最新調査では、アメリカ全消費者の約28%がCBDを使用していることが明らかになりました。

そのうち19%が必要に応じて、9%が毎日CBDを使用しています。CBD使用者の56%がミレニアル世代、32%がX世代(60~70年代生まれ)、15%がベビーブーム世代です。

ミレニアル世代の31%が不安障害の緩和に使用しているのに対し、X世代とベビーブーム世代の大多数は関節痛・筋肉痛の緩和に使用しています。

 

興味深いことにCBDを初めて購入した人の59%は計画的な購入、25%が衝動買いで、医師に勧められてと答えた人は7%でした。

また使用者は全体的にCBD商品に好意的なイメージを持っているようで、55%が「CBDオイルは新たな奇跡の薬だ/かもしれない」と考えていました。

一方、「どう考えれば良いか分からない」が35%、「ただの流行」と考えている人は11%でした。CBDをまだ試していない消費者の26%は「値段が高すぎる」と考えており、「研究が十分でない」という人は18%、「効果が信用できない」が14%と続きました。

専門家によるとCBDの売上は2024年までに200億ドル(約2兆1900億円)に到達すると予測されています。これは現在の飴・ガム・ミントの年間売上の合計を上回る数字です。

CBDは体内のバランスを整える

CBDはどのように精神的健康に役立つのでしょうか?人体にはホメオスタシスと呼ばれる体内のバランスを整えるエンドカンナビノイドシステムの一部としてカンナビノイド受容体が存在する、とCBD専門家で高級CBDオイル美容&ライフスタイルブランド「Grace London」の創設者シオナ・レドモンドは説明します。

「エンドカンナビノイドシステムは健康とバランスの維持に関わる最も重要な生理学的システムの一つだと言われています。

2007年には、生殖機能やストレス反応に関連するホルモン分泌において重要な管理的役割を果たしていることがわかりました」

 

実は人体は大麻に含まれるCBDなどのカンナビノイドと同じ構成を持つ、人体由来のカンナビノイドを生成しているので、CBDは似たような方法で体に働きかけることができます。

脳内で自然に生成される内因性カンナビノイドは恍惚感やセロトニンと強く結びついており、身体的運動後の爽快感や“ランナーズハイ”に似た感覚をもたらします。

オイルからスキンケアまで!CBDは商品の種類も広がりつつある

CBD商品は人気が上昇しているだけでなく、その商品の幅も広がっています。

舌下から吸収するオイルやティンクチャー、スプレーなどのほか、飲食物への添加も増えています。

「Crussh」は飲み物にCBDを添加できるCBDブースターを発売し、イギリスでCBD商品を扱う初のチェーン店となりました。

 

CBD入りスキンケアオイルやボディバーム、バスボム、フェイスマスクなどのCBD商品も人気を集めています。

CBDは皮膚の外皮層から吸収され、皮膚の表面の細胞にあるカンナビノイド受容体と相互作用すると言われています。

皮膚は人体最大の器官ですから、皮膚に塗るものは皮膚だけでなく、健康や全般的な幸福感に長期的な影響を与えるのです。

 

CBDが健康に有益な効果がある限り、イギリスにおけるCBDの成長は止まることはないでしょう。

1月からイギリスで販売されている若年層を対象としたCBD美容ブランド「Milk Makeup」と言った流行のCBDブランドの登場とも一部関連づけられますが、CBDの流行は若い世代における喫煙・飲酒の低下傾向との関連も否定できません。

リル・パンプなどのZ世代の音楽アーティストは、ミレニアル世代やベビーブーム世代が見慣れている典型的なお酒の広告ではなく、大麻の広告塔になっています。

フェイスブックはこういった消費者行動における文化的変化を反映して、最近CBD広告に対する規制を緩和しました。現在では、食用CBDの広告は禁止されているものの、外用CBD商品に広告は認められています。

今後CBD広告の規制がどのように変化していくのか興味深いところです。CBDの使用は広まっていますが、商品のCBD濃度は多様です。

すべてのCBD商品は同じように生産されているわけではなく、エキスに含まれるCBD濃度は数パーセントのものもあれば90%以上という場合もあります。

CBD濃度を決定づけるのはCBDの抽出方法です。CBDを含む花穂はコールドプレス(冷却圧搾)することができますし、蒸留プロセスはアルコールや溶剤などを使用する場合があります。

二酸化炭素抽出はオイルの抽出に使用されます。より透明感があり、より黄金色のオイルになればなるほど、より精製・濃縮されたCBDエキスということになります。