大麻と痛み パ-ト2:慢性痛に大麻はオピオイドより優れているか?

慢性痛は、ひどい消耗性疾患になることがあります。日常的またはほぼ毎日のように痛みと共に生活をしている多くの人々にとって、疾患はとても耐え難く、体の他の部位、気分、健康、概して満足できる生活状態全体に影響を与えます。残念ながら、多くの治療は名ばかりの有効性です。更に悪い事に、一般的にオピオイドのような処方薬は非常に依存性が高く、有毒である可能性があります。2014年には、過去最高の28,000人が過剰摂取により亡くなりました。慢性痛に苦しむ大体5人の1人のアメリカ人が代替手段として大麻に頼っており、その数が増えているのも不思議ではありません。

多くの人々が大麻は効果的な治療法であると信じる一方で、科学はどのように言っているのでしょうか?他の薬より大麻は本当にもっと効果的で安全なのでしょうか?幸運なことに、大麻とカンナビノイド由来製剤に関して言えば、慢性痛は最もよく研究されている疾患です。しかしながら、慢性痛の原因はそれぞれ異なります。その上、慢性痛は侵害性であったり、神経性であったりします。侵害受容性疼痛は、組織損傷や炎症により生じます。神経因性疼痛は、神経の損傷や機能不全により生じます。

全ての人の生態は固有であり、痛みの種類、投与量、品種、摂取方法(ベイプで気体を吸う、食す、チンキとして液体に混ぜる等)を含む多くの変数によって大麻に対して異なった反応をします。

大麻はどのように慢性痛緩和に効くのか?

包括的に、ハーバード大学が先導した28の研究の調査は、外因性カンナビノイド (例えば、合成製剤や植物由来のカンナビノイド)のさまざま痛みや健康問題を治療する有効性について調べています。「慢性痛、侵害受容性疼痛と多発性硬化によるけいれんのための大麻の使用は信頼のおける証拠に裏付けられています」と著者は結論付けています。

研究の批評によると、慢性痛全体の6件の研究のうち6件、神経因性疼痛の研究5件のうち5件全部において、患者の症状の著しい改善が見られました。とりわけ、ほとんどの研究は合成的に調合されたカンナビノイドに制限されていますが、5件の神経因性疼痛のうち3件は、大麻の喫煙で調べており、残りの2件は口腔スプレ-摂取で調べています。

教授であり、サンフランシスコ総合病院の血液科/腫瘍内科局長のドナルド・アブラムス医師は、慢性痛治療の大麻を支持し、「オピオイドと比較して大麻の安全性を考えると、大麻ははるかに安全です。しかしながら、もし患者が既にオピオイドを使用しているのであれば、主治医の注意深い管理なくしては、治療の手順の思い切った変更はするべきではないと勧めます」と提案しています。大麻に含まれるTHCとCBDの両方は、鎮痛性の効果を引き出すことが知られており、両方一緒に使用した時は化学相乗作用により特にその効果を引き出します。

大麻とオピオイド

北アメリカは、オピオイド危機によって大きな打撃を受けています。1999年以来、処方薬は400%増加し、この傾向により話にならない程の致命的な過剰摂取の増加が結果として生じています。
毎日40人の人が処方麻薬により亡くなっています。多くの人は、安価で、入手し易く、もっと強力なためにヘロインへと進みます。

大麻は解決策になれるのでしょうか?かなり高い可能性があります。多くの患者が、痛みを治療するためにオピオイドの代わりに大麻を使用可能である証拠、またオピオイドへの依存を劇的に軽減できている証拠を提示している研究が増えています。

「ペイン誌」に発表された2016年3月のミシガン大学の研究は、幾つかの説得力のある次のようなデ-タを提示しています。

  • 大麻は、他の薬の副作用を減らす
  • 生活の質を向上する
  • 平均して64%までオピオイドの使用率を減らす

「オピオイドの使用量が多ければ多いほど、過剰摂取による死亡率は高くなります。我々の研究における軽減の規模は個人の過剰摂取による事故死に影響を与えるだけの意味があります」と研究者の一人であり、ミシガン大学疼痛処理麻酔学の教授であるダニエル・クロウ医師は述べました。

インパクトネットワ-クと呼ばれるコロラドを拠点とする大麻研究支援非営利団体で現在働く慢性痛患者のケビン・アメリングは成功例です。アメリングは、大麻が処方薬に依存していた生活から救ってくれたと信じています。2007年に彼はひどい転倒により苦しみ、オキシコドン、トラマド-ル、クロナゼパムやレクサプロを含むさまざまな種類の処方薬を処方されました。オキシコドンの効きがますます弱まる一方で、痛みはとてもひどくなり、急速に投与量を増やさざるをえませんでした。

コロラドに住んでいるので、アメリングは2013年に医療大麻を試してみる事を決めました。すぐに結果が表れ、処方薬の摂取量を著しく減らす事ができたと主張します。オキシコドンを50%まで、クロナゼパムを3mgから0.5mgまで、レクサプロを30mgから5mg、トラマド-ルを300mgから75mgまで減らしました。
「医療大麻がどれほど私の人生を変えているか言葉で表すことは難しいです。私は非常に依存性が高く、有毒な処方薬をより多く摂取しなければならない事を徐々に心配するようになりました。摂取量を減らす事ができただけでなく、大麻を用いる事によって私が以前できなかった副作用を感じることなくオキシコドンを抜く事もできました」とアメリングは言いました。

大麻には試行錯誤が少し必要

「全ての人は異なった反応をします。私にとっては、喫煙は症状を悪化させましたが、一方で低用量の大麻入り食品が一番よく効きます」とアメリングは付け加えました。

あなたが選ぶ品種の化学成分や摂取方法は疑いなく結果に影響を与えます。あなたの痛みに対して最も効果的な大麻品種、投与量、望ましい摂取方法を見付けるまでに少しの試行錯誤が必要かもしれません。最も重要な事は、もしあなたが現在オピオイドを使用しているのであれば、非常に注意する必要があります。治療方法の変更は医師の管理下で行われるべきです。

そして最後に、カナダのマリファナ・フォー・トラウマの医院長であるマイケル・ハ-ト医師の次のアドバイスを心に留めておいて下さい、「慢性痛を大麻での治療を考える時、少ない方が良いと言うことわざは真実のようです。多くの患者は、ほとんどのサティバやハイブリッド品種よりもTHCを多く含有するインディカ品種の方が痛みを軽減すると見出します。これらの品種は少量から中量程度で非常に効果的ですが、多量投与は実際に痛みを悪化させることがあります。よって、少量から始め、適量まで徐々に増量することが大事です」

出典:leafly