ギリシャの官僚が大麻合法化を求める

TV番組に出演したギリシャの官僚が、娯楽目的の大麻合法化を訴えました。発言をしたのはヤニス・チロニス。チロニスはギリシャ緑の党出身の環境・エネルギー省副大臣です。

ギリシャにおける大麻

その他多くの国と同じように、ギリシャの連邦政策も大麻を禁止しています。ギリシャにはハシシを生産してきたという歴史があるにも関わらず、政府は1890年に大麻を正式に犯罪化しました。ハシシの栽培・所持は違法でしたが、ギリシャ市民は引き続き使用していました。特に第一次世界対戦の後はギリシャの兵士も他国から来た難民も皆、大麻を使用していました。当時、禁止法は特に強制的でも有効でもありませんでした。

ギリシャでは大麻(およびその他薬物)は今でも違法ですが、国会議員は大麻に関する政策を緩和してきました。有罪となった場合は今でも懲役を受ける可能性があります。しかし裁判所は薬物使用者と薬物密売人の違いを認識しています。ギリシャの裁判所は、ヘロインなどの「危険薬物」と大麻の違いも区別しています。

今年、アレクシス・チプラス首相は医療目的の大麻を合法化し、全国的な医療大麻プログラムを実施するヨーロッパ諸国の一員となりました。この時点では、娯楽目的の大麻はまだ違法です。

娯楽目的の大麻は今後も違法?

先日、環境・エネルギー省のヤニス・チロニス副大臣は、ギリシャの国会議員は大麻を完全に合法化するべきだと発言しました。ギリシャ市民は自分の土地で合法的に大麻を栽培できるようにするべきだ、とも述べました。

チロニス副大臣は、合法化を支持する理由として、ギリシャにおける薬物乱用問題を挙げました。ハーム・リダクションのために、中毒者が合法的に薬物を購入できるようにしたい、と副大臣は述べました。そして、国内の大麻合法化を訴えたのです。

そのような政策はうまく行くのか?

大麻合法化、または非犯罪化には賛同できますが、その他の薬物に関しても同じように言えるでしょうか?とはいえ、これは最も異様な考えというわけではありません。

2001年、ポルトガルは薬物中毒の蔓延と闘うために全ての薬物を非犯罪化しました。薬物で逮捕された際の自動的な実刑判決の代わりに、裁判所は民事処罰と医療的介入を提供しました。

その結果は?

薬物過剰摂取による死は激減しました。中毒者は医療介入を利用しました。薬物に依存していた人々の大半は、依存症から脱したかったことが分かりました。

大麻は中毒性がなく、ハードドラッグと同じものでもないので、非犯罪化または合法化は実行できる案のように見えます。特に公衆衛生や刑務所の過密問題を考えればなおさらです。チロニス副大臣は、ギリシャにおける大麻合法化についての議論を開始しました。これは真の変化に向けた第一歩に過ぎませんが、前進には変わりありません。ギリシャが大麻を合法化し、それが国内の薬物依存問題の緩和に役立つことを願います。少なくとも、社会的発展のために非犯罪化は良い出だしとなるでしょう。

日本ではどうか?

日本では1948年に大麻取締法が制定されて以来、大麻は違法です。所持に最高懲役5年、営利目的栽培には懲役10年という重い刑罰がつきます。今年、医療大麻推進活動をしていた議員が大麻取締法違反で逮捕されるという残念な事件がありましたが、医療目的ですら認められていないのが現状です。

しかし実は日本人は縄文時代からずっと大麻とともにありました。大麻からとった繊維で布、糸、綱などを作り、種子は食用にし、生活のさまざまな場面で大麻を使用してきました。また大麻の持つ浄化力のために神道の儀式でも使用されていました。喘息用の薬として薬局で販売されていたこともあります。禁止物質となったのは戦後70年のことだけなのです。

世界では医療大麻の解禁が進んでいますが、日本ではまだまだ大麻に対して厳しい目で見られることが多く、取り締まりも厳重です。しかし世界各地で大麻の医療的価値の研究が盛んに行われ、その評価が高まりつつある今、 「大麻は悪い」という先入観を一度外して、自分で調べてみることが重要なのではないでしょうか。日本で医療大麻が合法化となるのはまだ先のことになりそうですが、 CBDオイルなら日本国内でも合法的に利用できるので、試してみるのもありでしょう。

参考:HighTimes