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内因性カンナビノイドとは

      2017/10/30

細胞の機能を制御するレセプターとリガンド

ヒトの体は、約37兆個もの細胞から作られています。
それぞれの細胞には、それぞれ、特定の役割が有り、特定の機能を持った細胞が集まって、脳や心臓や肺や肝臓などの臓器や組織を形成しています。

それぞれの細胞が、それぞれの組織内で決まった役割を果たすためには、細胞の間で情報を伝達する仕組みが重要になります。
その情報の役割を担うのが、各種のホルモンや増殖因子や生理活性物質などの化学物質です。
これらの化学物質のことを情報伝達物質と言います。

その情報を受け取る役目をしているのが、細胞を覆う膜に存在する「レセプター(受容体)」と呼ばれるタンパク質です。
レセプターにはたくさんの種類があり、それぞれ特定の情報伝達物質に結合します。レセプターに対して、そのレセプターに結合する情報伝達物質を「リガンド」と呼びます。

レセプターとリガンドは「鍵穴」と「鍵」のような関係で、特定のリガンドは特定のレセプターにしか結合することができません。
レセプターは細胞膜を貫通するように存在しており、レセプターにリガンドが結合すると、その情報を細胞の内部に伝達します。
その結果、細胞内でさまざまな化学反応が引き起こされて、細胞分裂を引き起こしたり、遺伝子発現を変化させて特定の機能を持ったタンパク質の合成を引き起こしたりすることで、細胞の生理機能をコントロールしているのです。

カンナビノイド受容体と内因性カンナビノイド

大麻草から抽出される、多種類のカンナビノイドは、体内のレセプターに結合してさまざまな作用を及ぼすことが知られています。
大麻に含まれる向精神物質としてΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)がよく知られていますが、そのTHCが作用するレセプターとしてカンナビノイド受容体タイプ1(CB1)とカンナビノイド受容体タイプ2(CB2)が発見されています。

CB1は主に中枢神経系のシナプス(神経細胞間の接合部)や感覚神経の末端部分などの神経細胞上に多く見られ、CB2は主に免疫系の細胞上に多く分布しています。
いずれも広く全身に分布しています。

これらのレセプターは、THCと結合するレセプターとして発見されましたが、当然体内にもこれらのレセプターに結合して作用する情報伝達物質が存在します。体内に存在するこれらの内因性のリガンドを内因性カンナビノイドといいます。
内因性カンナビノイドとして明らかにされているのが、アナンダミド(アラキドノイルエタノールアミド)と2−アラキドノイルグリセロールの2種類ですが、現在ではその他にも同様の働きをする化合物が8種類あると考えられており、新たなレセプターの同定も進められています。

内因性カンナビノイドシステム

内因性のカンナビノイドであるアナンダミドや2-アラキドノイルグリセロールは細胞膜のリン脂質由来のアラキドン酸という脂肪酸から合成されます。
さらに、内因性カンナビノイドは脂肪酸アミドハイドロラーゼやモノアシルグリセロール・リパーゼなどの酵素により分解されその量がコントロールされています。

カンナビノイド受容体と内因性カンナビノイド、および内因性カンナビノイドの合成・分解に関わる酵素を合わせて、内因系カンナビノイドシステムと呼んでいます。

この内因性カンナビノイドシステムは、CB1およびCB2が多く分布している神経系や免疫系の他に消化器系や内分泌系など、生体機能の調節に幅広く関与していることが明らかとなっています。
また、多発性硬化症、脊髄損傷、神経性疼痛、がん、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、緑内障、肥満、メタボリック症候群、骨粗鬆症などの多くの病気が、内因性カンナビノイドシステムの不調と関与していることが報告されており、カンナビノイドシステムのコントロールがこれらの病気の治療に重要な役割を果たすと注目されています。

レセプターとリガンドの作用を応用した医薬品~アゴニストとアンタゴニスト

体内で起こる生理的な反応は、レセプターとリガンドによる様々な情報伝達のネットワークにより厳密にコントロールされていますが、この連鎖的な情報伝達の経路を、シグナル伝達経路と呼びます。
このようなシグナル伝達には、多数の化学伝達物質や酵素タンパク質が関与していますが、近年、細胞の受容体とリガンドによる情報伝達の仕組みを利用した医療品が数多く開発され、病気の治療に使われています。

受容体へ作用する薬品は、受容体を活性化させる【アゴニスト(作用薬あるいは作動薬)】と、受容体の機能を阻害する【アンタゴニスト(拮抗薬あるいは遮断薬)】に分けられます。
レセプターは特定のリガンドしか結合することができませんが、アゴニストは特定のホルモンなどの化学伝達物質とよく似た構造を持っており、標的となるレセプターに結合して同様の作用を示します。
反対に、アンタゴニストは、レセプターとリガンドの相互作用を邪魔してレセプターの働きを阻害します。
このように、アゴニストやアンタゴニストは、もともと私たちの体が持っている機能を亢進したり減弱したりすることによって、生体機能をコントロールし、病気の治療を行っています。

参考:日本臨床カンナビノイド学会.漢方がん治療を考える.東京銀座クリニック

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