CBD・カンナビジオールとさまざまな症状との関係性 PART2

カンナビジオール(CBD)と骨粗しょう症との関係性

骨は、成長期が終わるとリモデリングと呼ばれる骨を壊す働きをする破骨強いぼうが骨吸収して、骨を作る働きをする骨芽細胞が、破骨細胞によって吸収された部分に骨形成する(新しい骨を作る)。
このリモデリングが絶えず続けられることで、1年間に20〜30%の骨が新しい骨に入れ替わっている。

骨粗しょう症とは、骨形成の速度よりも骨吸収の速度が高いことにより、骨に小さな穴が多発する症状のことである。
わずかな衝撃でも骨折しやすく、骨折が元に戻るまでに時間がかかりやすい。

カンナビノイド受容体CB1,CB2,GPR55は、骨細胞にも多く発現し、最近の研究では、骨芽細胞分化と骨形成の調整に重要な役割があることが示唆されている。
CB1またはCB2がないマウスは、骨形成が低下し、骨随内に脂肪細胞が蓄積し、年齢を重ねると骨粗しょう症を発症した。
しかしながら、従来のカルシウム調整との関係および骨細胞の分化促進のメカニズムは完全には解明されていない。

カンナビノイド種類 : CBD,CBG,CBC,THCV
作用機序 : CB1,CB2,GPR55

カンナビジオール(CBD)と不眠症との関係性

不眠症は、寝つきが悪い、眠っても何度も目が覚める、熟睡ができない、早朝のうちに目が覚めるといった症状が重なり、一ヶ月以上も慢性化している状態である。
日本においては約5人に1人が、不眠症で悩んでいるとされている。

不眠症を引き起こす可能性がある疾患は、痛み(全てのタイプ)、不安、ガン、慢性疲労症候群、うつ病、胃食道逆流症、胸焼け、吐き気、端息などがある。
カンナビノイドは、これらの症状の緩和による睡眠補助の効果が期待できる。

睡眠は、脳波の活動性によってステージ1~4(浅い⇨深い)の4段階に分けられる。
入眠すると、ステージ1からステージ4まで進み、一度ステージ2に戻ってからレム睡眠が出現する。
レム睡眠にはおよそ90分ごとに出現する周期があり、睡眠時間中に4〜5回繰り返す。
ステージ3,4の段階は徐波睡眠と呼ばれている。

カンナビノイドにおいてTHCは、CB1を通じて覚醒を下げ入眠しやすくなるが、徐波睡眠を浅くし、レム睡眠を浅くする。
しかし、CBDは、視床下部と背側縫線核におけるニューロンの活性化を介して覚醒を促す。
一方で、徐波睡眠を促し、レム睡眠をブロックする。
このことは、CBDが深い睡眠に貢献している可能性が示唆されている。
徐波睡眠が減少する高齢者にCBDが睡眠補助として使えるかもしれない。

カンナビノイド種類 : CBD,CBN
作用機序 : CB1,CB2

カンナビジオール(CBD)と糖尿病との関係性

糖尿病は、血糖を下げる働きを持つ唯一のホルモンであるインスリンの働きが悪くなることで、血糖値が高くなっている状態のことである。
インスリンの分泌が先天的にない若年発症の1型糖尿病と、遺伝的に糖尿病の素因が受け継がれ、中年以降に発症する2型糖尿病があり、日本人の95%が2型糖尿病とされている。
2型糖尿病は、過食、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣や加齢といった要因が加わり発症するため生活習慣病と言われている。

前臨床研究ではあるが、これまでの研究によりカンナビノイドの摂取が糖尿病3大合併症の発症を減らすことが示されている。
ローラ・ライスらは、糖尿病発症マウスの実験で、1日5mgのCBDの発症前投与で、投与していない対照群のマウスでは86%が糖尿病になったのに対して、CBDを与えたマウスの発症率は30%にすぎなかったと報告されている。
糖尿病に関する過去の動物実験のレビューにおいて、エンド・カンナビノイド・システムが糖尿病と3大合併症の心筋機能不全、網膜疾患、神経症の発症を予防する機序であると総括し、カンナビノイドの臨床応用について議論すべき時期が来たと示唆している。

糖尿病発症マウスを用いた最近の研究で、シクロオキシゲナーゼを介したCBDの血管弛緩作用が血管保護の機序であることを解明した。

カンナビノイド種類 : CBD, THCV
作用機序 : CB1,CB2

カンナビジオール(CBD)と心臓病との関係性

心疾患の8割近くを占めるのが、動脈硬化が原因となる虚血性心疾患である。
狭心症や心筋梗塞はこれに分類され、生活習慣病の1つとされている。
動脈硬化を進行させる因子として、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙、肥満などが知られているが、いずれも様々な病気の危険因子となる。

CBDは心疾患にも効果があることが示唆されている。
CBDが採取した血管に対して即時性かつ時間依存性に、血管弛緩効果を直接作用することが知られている。
動物実験では、CBDは血管拡張因子の効果を増強し、高血糖環境下での血管損傷を保護し、血管透過性の亢進を減弱させる。
これらの研究は、CBDの抗炎症あるいは抗酸化効果である。

心臓においては、CBDの前処置は、糖尿病に関連する虚血再灌流障害や心筋症から新オズを保護する。
同様にCBDは5HT(A1)受容体に媒介し、梗塞巣を減少させ血流を改善する。
CBDの急性あるいは慢性投与では、血液循環動態には影響がないように見えるが、CBDは5HT(A1)受容体に媒介して、ストレスモデルにおける心血菅応答を減弱させる。
血液においては、CBDは、白血球の生死、形質転換、そして血小板凝集に影響する。

まとめると、これらの前臨床実験では、心臓血管および脳血管に対するCBDの治療は肯定的な結果のようであることがわかる。
しかしながら、これらの仮説を裏付けるには、人において同様の効果が得られるかの検証とメカニズムを解明する必要性がある。

カンナビノイド種類 : CBD
作用機序 : 5HT(A1)