CBDオイルは慢性痛などの痛みの緩和・鎮痛作用に効果的

カンナビジオ-ル(CBD)は、慢性痛に苦しんでいる多くの人々の間で痛みを軽減する天然の方法として着実に支持を集めています。大麻草に存在する物質、カンナビジオ-ルは関節炎や背部痛のようなよくある症状の緩和治療代替薬として大いに薦められています。 

カンナビス・アンド・カンナビノイド・リサ-チ誌に発表された報告によると、大麻が疼痛軽減のために使用されたのは古代中国までさかのぼります。CBDオイルは部分的に炎症を抑えることによって、慢性痛を緩和するとだろうと考えられています。さらに、CBDオイルはより深い睡眠を促進し、同様に慢性痛の人々がよく経験する睡眠の分断障害を治療すると言われています。

多くのCBDオイル製品はテトラヒドロカンナビノール(THC、大麻使用による‘ハイの状態’を引き起こす物質)を含まないことを覚えておくことは重要です。THCとは異なり、CBDは陶酔性ではなく、精神作用を持ちません。

さまざまな痛みの軽減のためにCBDオイルを使う

全米医学アカデミーによると、1億人のアメリカ人が慢性痛を持っています。アメリカの総人口は約3億3千万人になりますので、約30%の人が悩んでいることになります。日本で考えると、約4千万人です。慢性痛は生活の質を大幅に低下するのと同時に、医療費を増やし、仕事の生産性に悪影響を与えます。

よくある慢性痛の種類:
がんによる痛み
線維筋痛症
頭痛
過敏性腸症候群
腰痛
片頭痛
多発性硬化症痛
神経障害痛
骨関節炎
側頭下顎障害(顎関節症とも呼ばれます)

市販や処方される鎮痛薬(バファリンやロキソニンなど)が慢性痛治療にしばしば薦められますが、多くの人が代替的な緩和方法として、ハーブ、天然サプリメントやCBDオイルのような製品等を求めています。通常の鎮痛薬に伴うことが多い副作用を避けたい人々もいれば、そのような薬に依存するようになることを心配する人もいます。事実、ある支持者たちは、オピオイド過剰摂取が拡大し続ける懸念があるので、CBDオイルはオピオイド中毒に解決案をもたらせるだろうと提案します。

CBDオイルの局部使用はさまざまな痛みに効果的

科学者たちは今なお、CBDオイルがどのように痛みを軽減するのかを正確に特定しようと試みています。しかし、CBDは体内のエンドカンナビノイドシステム(細胞間伝達の複雑なシステム)に影響を与えるといういくつかの証拠があります。記憶や気分といった脳の機能を担うと共に、エンドカンナビノイドシステムはどのように私たちが痛みを感じるかにも影響を及ぼします。

これまでは、痛みのコントロールにおけるCBD効果の多くの証拠は動物を用いた研究からのものです。経口摂取をする時の生物学的利用能は低いです。痛みの局部にCBDを塗布することは、より安定した量のCBDを小範囲にもたらすと言われています。

2017年にペイン誌に発表された研究では、局部的なCBD塗布治療が骨関節炎を持つマウスの関節痛の発達を阻止する助けをしたことが確認されました。2016年にヨーロピアンペイン誌に発表された調査では、局所CBDジェルは関節炎を持つマウスの関節の腫れ、痛みの度合いや炎症を大幅に軽減したことを発見しました。

2018年にペディアトリック・ダーマトロジ-誌に発表された報告書では、科学者たちは表皮水泡症として知られる珍しい水泡状肌疾患を持つ子供たちに局部的にCBD(オイル、クリ-ムやスプレ-として)を使用した3件の報告をしました。CBDジェルが両親によって塗布されたところ、傷がより早く癒え、水疱は減り、痛みは軽減したことを3人全員が報告しました。1人はオピオイド鎮痛性疼痛緩和薬の服用を完全にやめることができました。副作用は報告されませんでした。

CBDオイルの痛みの軽減について調査している臨床試験がごく少数しかない一方で、2018年にコクラン・デ-タベ-ス・オブ・シスマティック・レビュ-に発表された報告はさまざまな大麻由来治療薬の使用について調べ、慢性神経障害痛の治療に効果があることを発見しました。神経障害痛は体性知覚システム(例えば、感覚刺激の処理を担います)の損傷が引き金となる痛みで、糖尿病や多発性硬化症の疾患を持つ人々によく見られます。科学者は、さまざまな大麻由来治療薬を慢性神経障害痛治療において使用した過去に発表された16件の調査を再調査し、大麻由来治療薬が痛みを緩和し、痛みの強度、睡眠障害や精神的苦痛を軽減するサポートをするいくつかの証拠を発見しました。

副作用は眠気、めまいや精神的混乱を含みます。著者は潜在的な有害性は考えられる利点よりも重大と結論付けました。しかし、調査ではさまざまな大麻由来治療薬(例えばTHCを含む大麻吸引、スプレ-、植物由来または合成のTHCまたはCBDを含む経口錠剤)が使用され、これらのいくつかはTHCを含まない製品に比べて副作用を引き起こしやすいことに言及する必要があります。

副作用は少ないが注意も必要

CBDオイルの副作用についての研究はかなり限られています。さらに、多くの製品に関する法規が欠如しているために、内容物と純度に一貫性がありません。製品のCBD含有量は一貫性がなく、精神作用成分THCの含有量もさまざまです。

日本ではTHCが含有されているCBDオイルは禁止されていますが、海外ではTHCが含有されているCBDオイルが認められている国や州もあります。認められている国や州限定になりますが、THCを全体に含む製品を使用した研究では、不安、食欲や気分の変化、下痢、めまい、眠気、口の渇き、低血圧、精神的混乱、むかつきや吐き気を含む副作用が報告されました。さらに、CBDを高用量摂取することはパーキンソン病患者の筋肉の動きや震えを悪化させる懸念があります。

その上、CBDオイルは肝臓によって変化する薬(クロルゾキサゾン、テオフィリン、クロザピンやプロゲステロンを含む)や鎮静薬(ベンゾジアゼピン、フェノバルビタール、フェンタニルやモルヒネを含む)といった薬と相互作用をします。また、日本では関係のない話ですが、喫煙する時、大麻はアスペルギルス(カビの一種)を含んでいることが分かっています。免疫システムが弱っている人がこのタイプの大麻を使用する時はカビ感染に注意をするべきです。

CBDオイルを通常の治療の代替治療として安易に考えるべきではありません。例えば関節炎のような慢性炎症疾患の場合は、正しい治療でない場合、損壊や障害を引き起こす関節変形に繋がります。用途によっては非常に効果的に役立ちますが、過度の期待には注意が必要です。

CBDオイルは主にインターネットで入手可能

アメリカ中では、CBDオイルはより広範囲に渡って入手可能になっています。オイルはカプセル、クリ-ム、チンキ剤や舌下用スプレ-を含むさまざまな形で販売されています。日本ではどうでしょう?

近年日本でもCBD製品を取り扱うお店は増えてきています。主にインターネットで購入が可能で、実店舗で扱うお店もあるぐらいです。勿論、違法性はなく合法ですし簡単に購入することができます。

CBDオイルのポイント

最近のアンケートによると慢性痛は大麻を使用する最も一般な理由です。もしあなたが慢性痛疾患を持っていて、通常の治療では症状をおさえることができないのであれば(または、他の治療薬の副作用を避けたいのであれば)CBDオイルを鎮痛のために検討してみて下さい。前臨床動物研究はCBDが神経性疼痛に対してTHCのような副作用なく適度な鎮痛に効果があることを示していますが、現時点ではこれらの効果を確定する、よく設計された臨床試験(治療において全信頼を預けるために確認したい種類の研究)が大幅に不足しています。

もしあなたが鎮痛のためにCBDオイルを使ってみようと考えているのであれば、あなたに適しているかどうかや疼痛治療に取り入れる最も安全な方法を病院の先生などに相談するといいでしょう。

ただし、相談する先生自体がCBDオイルの存在や効果などを詳しく知らない場合や、日本では薬として認められている訳ではなく、所詮サプリメント扱いされる可能性もあり、不十分な回答や否定的な回答になる可能性が高いと言えます。見極めや自己責任の問題になってくるでしょう。法規が欠如しているために、CBDオイルの純度と内容物はさまざまであることを心に留めておいて下さい。

慢性痛患者は睡眠の妨げを経験しています。さらに睡眠不足は時に不安やうつも引き起こします。軽い運動をしたり、ヨガのような心身訓練を始めたり、抗炎症食事に従ったりなど、自然治療はいつも痛みに苦しんでいる人々の生活の質を向上する助けになるでしょう。

出典:VeryWellHealth