研究結果:日常的の大麻使用はハードドラッグへの移行を遅らせる可能性

こんにちは。
世界では、これまで考えられていた大麻はハードドラッグへのゲートウェイドラッグであるという理論を覆すような研究結果が次々と発表されています。本記事では、カナダで行われた若者の大麻使用に関する研究結果について紹介します。

大麻を毎日摂取することは、危険性の高い未成年がより危険な薬物の注射へ移行するのを遅らせる可能性があることが新たな研究で明らかになり、大麻が若者に対してより有害な薬物へのゲートウェイドラッグとなるという長年の仮説に疑問を投げかけました。物質使用に関するBCセンターの科学者らによる研究はまた、大麻がオピオイド系鎮痛剤中毒者に対する代替薬として利用できる可能性を示唆した別の研究も加えています。

研究者らは、これまでいかなる薬物も注射したことのないバンクーバー市繁華街の中心部にいる若いホームレスの人々481名に繰り返しインタビューし、ハイリスク群を10年以上にわたって追跡した結果、日常的な大麻使用が薬物注射を始めた人々の割合における34%の低下と関連していたことが分かりました。

BCセンターの感染症疫学者ならびにハドソン・レッドンが率いた研究の共同著者であるM.J.ミロイは次のように述べました。

「よくある大麻に関する見解の一つは、大麻は他のよりリスクの高い薬物使用へのゲートウェイドラッグであるというものです。しかし私たちの研究からはその真逆である結果が出ました。彼らにとって大麻は、自らの薬物使用を管理しようとするため、よりハードなオピオイド系や覚せい剤からデトックスしようとするために使用する方法でした」

BCセンターで現在も進行中「危険性の高い未成年研究」から引き出され、またドラッグ・アンド・アルコール・レビュー誌3月号で発表された研究には、バンクーバー市グランヴィル・ストリートの路上で寝たり、知り合いの家を泊り歩いたりする14歳から26歳までの若者が関与し、平均2年間にわたってインタビューされました。

違法薬物の注射を始める人々の平均年齢は19歳から23歳で、ホームレスの若者はこれら違法薬物を使用し始める傾向が高く、このためにHIVまたはC型肝炎に感染する可能性や過剰摂取または犯罪活動に関わる可能性が高いと研究は示しています。またこれらの若者は注射針の共有など危険な行動に関わる傾向が高い、とミロイ博士は述べました。

この研究は、大麻が合法または違法のオピオイド系やクラックコカイン使用者に対する潜在的な代替薬となる可能性を示した別の最新研究に続くものです。

BCセンターが行なったもう一つの研究では、バンクーバー市のダウンタウン・イーストサイド内外でクラックを使用した122人を3年間にわたって観察し、大麻も使用することを選んだ人の方がクラックを使用する回数がより少ないと報告したことが分かりました。

認可を受けた大麻栽培業者ティルレイ社が出資し、ブリティッシュ・コロンビア大学で行われた別の最新研究では、インタビューを受けた271名の医療大麻患者の半数以上がより強力な処方薬をやめるために大麻を使用したと述べ、そのうち最も多くの患者が大麻はオピオイド系薬の代替的鎮痛剤として作用したと話しました。

小さな科学体系に加えられた研究は、患者がオピオイド系薬と替えるために大麻を有効に使用していることを示しています。オピオイド系薬は合法または違法な鎮痛剤類で、昨年4000人以上のカナダ人を死なせたという危機をもたらしました。

オタワ州がこの夏、カナダで最も早く大麻を合法化するのに向け、ミロイ博士のような依存症および公衆衛生専門家は連邦政府に対して、大麻禁止を終わらせるカナダの例が世界に提示できる危機、そして潜在的な利益を考慮するように要請しています。

「物質使用の軌跡に本当に注目したならば、タバコやアルコーつの方が大麻よりも他の薬物への先駆けとなっていることを認識しなければならないことは、ずいぶん前から多くの科学者が述べてきました」とミロイ博士は言います。

ミロイ博士は、大麻による代理効果を証明できるか調べる小規模な対照臨床試験を開始するために、この夏に資金提供を受けたいとしている研究チームに属しています。

木曜日に発表され研究は、米国国立保健研究所とカナダ医療研究機関によって出資しました。

参照:The Global And Mail