食品からバイオ燃料まで!革新的な新大麻産業

地球に優しい大麻植物

今回は大麻という植物が人類にどのような英知をもたらすことができるのか、また、どのような産業に貢献しているのかを調べてみました。

【プラスチック製品の撤廃】

ビニール袋やペットボトル、プラスチック製品といった石油を原料にした製品を、大麻を原料にした大麻ビニール/プラスチック製品に替えることができます。石油製品を買う必要がなくなり、廃棄物問題も改善されます。なぜなら大麻製品は 、生ゴミと同じように土に還るからです。

1941年には 、かのフォード車が世界で初めてヘンプオイルで動く自動車を開発し、完成させていました。このヘンプカーは 、大麻の繊維で作った強化プラスチック製の強靭なボディを持ち、大麻の茎で作ったエタノールを燃料にした最先端のエコカーでした。この大麻プラスチック製ヘンプカーを見習って、日本でスーパーエコカーを開発したら、世界が仰天する凄い車が誕生する可能性があります。

【ガソリンの撤廃】

フォード社が証明してくれた通り、大麻はガソリンに替わるバイオ燃料にもなります。大麻の茎を発酵させて濾過すると、バイオ燃料 (穀物などの有機物、バイオマスを原料とするエタノール燃料および合成ガス )として使用できるようになるのです。すべてのガソリンを大麻製のバイオ燃料に替えれば、わざわざ遠くの国から石油を買う必要が一切なくなります。茎から採取するエタノールよりもコストはかかりますが 、大麻の種から採れるヘンプシードオイルも、ガソリンの替わりになります。

日本で中山康直さんが、麻の実からとれるヘンプオイルで走るヘンプカーで、全国を回る活動を行っています。
中山さんは「この車は地球と人にやさしい麻の油で走っています 」と書かれた車で全国各地を回る 「ヘンプカープロジェクト 」を2012年に発足し、2015年も9月1日から13日まで、三陽、北陸地方を回ってネットワ ークを広げていました 。

大麻が禁止になった背景に石油製のナイロンなどの化学繊維が盛り上がりをみせていた状況があることは 『TheEmperorWearsNoClothes』に記されていますが 、当時、石油は世紀の大発見で、人々は利用しなければ損だとばかりにそれを利用しようとしたのです。でもこれからは、先の短い石油を争って奪いとるようなことには参加しないで、別のところからエネルギーを得ればいい 。その分のエネルギーを完全に国内で生産することを可能にするのが、大麻植物です。ガソリンに限らず、ガスも含めて大麻エネルギー産業を興せば、日本全国のあらゆるエネルギーを大麻でまかなうことができるようになります。日本にはそれを実現する充分な技術があります。
その技術がない国に大麻バイオ燃料を輸出することも可能ですし、技術を供給することもできます。

【ヘンプ製の紙産業】

デジタル時代になっても、紙は重要。まだまだ需要がありますね。日本の外で生活するようになって気づいたことの一つですが、日本の包装紙や紙製の文房具などに見られる技術とセンスと気配りは、アメリカにはない素晴らしいものです。折り紙も襖も障子も、素晴らしい伝統です。

大麻草からヘンプペーパーを作れば、木材パルプ繊維で作られる紙の無駄遣いを心配することなく、紙の文化を継続できるように思います。ヘンプペーパーは紙の寿命を縮める酸性物質を含まない無酸紙です。また、驚異的な耐久性を持っていて、10回リサイクルが可能だそうです。トイレットペーパーやキッチンペーパーにも最適ですね。

大麻草は雑草のように強い一年草です。大麻草を栽培すれば、森林を破壊せずに充分な紙と紙製品を作ることができます。米国農務省の発表によると、1エーカーの大麻草から生産できる紙の量は、1エーカーの森林の4倍です。しかも一本の木が成長するまでには何十年もかかりますが、大麻草は雑草のように強い一年草なので、何十倍もの生産量が見込まれます。実際 、1883年まで、世界中の紙の75パーセントから90パーセントがヘンプ繊維から作られていました。当時のアメリカは、大麻繊維で作られた船の帆やロープ、それから衣類や敷物をリサイクルして、紙に変えていたそうです。

ヘンプ製の木材ヘンプ製の木材、住宅建材紙だけではありません。木製の物はほぼ全て大麻で代用できます。
割り箸と割り箸の袋を大麻製にするだけで、一大産業が成り立ちますね。鉛筆も家具も大麻製にできます。それから、家も建てられます。麻くずと呼ばれる大麻の茎の芯の部分を断熱材にした大麻の家が、実際に建築されています 。麻くずを使って、断熱材の他に木繊維板やコンクリート(石灰と混ぜる)セメントのレンガも生産できます。

【麻布麻】

麻布麻にはいくつか種類があります。現在日本の服で麻と表示されているものは、大麻の麻ではなく亜麻と苧麻のことで、別の麻です。けれど、昔の日本の麻の服は大麻の麻布で作られていました。大麻の茎の繊維を使った麻布は、木綿の布よりも柔らかく、暖かく、綿の4倍もの給水力があり、3倍の耐久性があります。抗菌性、消臭性、保湿性、吸汗速乾性にも優れており、紫外線を防ぐ効果まであります。

衣服用の布だけでなく、帆布やキャンバスも作れます。油絵に使われるキャンバスは 、オランダ語でカンナビスという意味です。かのゴッホが使っていたキャンバスは、大麻草で作られていたのです。1930年代、大麻の麻は木綿に次いで生産量が第2位の繊維でした。禁止されなければ、1位になっていたかもしれません。でも、木綿と麻は共存が可能です。麻と木綿を混合した布はカナダやヨーロッパで生産されていて人気がありますから、麻布の生産を増やしても、木綿を排斥することにはならないでしょう。

現在は農薬で汚染された綿が大半で、体に優しい綿としてオーガニック綿を生産しなければならない状況になっていますが、麻布を取り入れれば、より人体にも地球にも優しい布で生活できるようになります。「大麻草にも農薬を使ったら同じことになる」という意見が出てくるかもしれませんが、大麻草に農薬を使うことは、病気や害虫や太陽光線に対して高い自己防衛能力を持つ大麻草の本質に反しています。非常に強い草なので、完全オーガニック栽培が可能です。大麻草は食品にもなるわけですから、理想としては、大麻草に農薬を使うことを最初から禁止にするべきでしょう。

大麻の茎から繊維を採る作業をする人達たちがハイになったりしないかどうか、心配になる人もいるかもしれませんね。そもそも産業大麻にはTHC(テトラヒドロがほとんど含まれていませんが、THCは脂溶性で、油の中にしか溶け出しません。だからこそ、THCを抽出するためにアルコールやバターを使うのです 。定番の大麻食品がクッキーやブラウニーなのは、何時間も乾燥大麻を煮込んでTHCが溶け出したバターを使うのに焼き菓子が最適だから、空気中や水中にTHCやその他の化学物質が舞い散ることは不可能ですから、心配はいりません。そして、油に解けないとTHCは効果を発揮できないので、大麻草の葉や花穂を触っても、あるいは間違って飲み込んでしまっても、酩酊状態にはなりません。

【大麻食品】

大麻食品大麻の種子にはTHCがほぼ存在しないので、食べてもハイになりません。種子は現在の日本でも、七味唐辛子の中の一味として普通に出回っています。そして大麻の種は、プロテインとエッセンシャルオイルの両方を理想的な割合で摂取できるスーパーフードです。どんな植物よりも多くの必須脂肪酸を含んでいるため、体の免疫力を高め、肌や髪や目の艶が良くなり、思考力にも良い影響を与えるそうです。私は殻の取れたヘンプシードをスムージーに入れて飲んでいますが、一回分30グラムで10グラムの植物性プロテイン、計10グラムのオメガ3必須脂肪酸とオメガ6必須脂肪酸が摂取できます。

また、食物繊維も豊富です。ナッツのような味ですが、殻なしだと柔らかくて、サラダやヨーグルトに振りかけたり、そのまま食べたりしても美味しいです。ヘンプシードを水に浸してブレンダーにかけると、ミルクにもなります。

それから、保存食としても大変優れています。食料危機にある地域に大麻の種子を供給すれば、飢餓を減らすこともできます。カナダ産のヘンプミルクは、アメリカのスーパーで販売されています。日本にも輸入されています。大麻の種から作ったヘンプシードオイルも、サラダ油にとって替わる健康食品です。ちなみにヘンプシードオイルは、かつてアメリカおよび世界のオイルランプのオイルとしても使用されていましたし、ペンキとニスの原料として何千年にも渡って使用されていました。

CBDオイルは現在サプリメントとして日本でも販売されているので、健康食品と考えてよさそうですね。一部、CBD(カンナビジオール)の含有量を高濃度にしたメディカル用のCBDオイルも販売されているようです。CBDオイルはTHCを除去してCBD(カンナビジオール)だけを残したオイルのことですが 、本当は、CBD(カンナビジオール)だけでなくTHCも他の化学物質もバランスよく摂取するのが理想だと思いますが、最初からTHCの含有量が少ない産業大麻のみからオイルを作れば、これも可能になります。日本で販売されているCBDオイルは産業用大麻から精製されている商品であることから安心に摂取可能です。

大麻草の葉っぱも、サラダやジュースにするには最適な食べ物です。葉には多少THCが含まれますが、前述したように水には溶け出さないので、乾燥大麻をそのまま食べても酩酊状態にならないのと同じように、酩酊状態になることはありません。

【大麻化粧品】

大麻化粧品ヘンプソープ、ヘンプシャンプー、ヘンプボディオイル、ヘンプ化粧品等、ありとあらゆる美容品を、ヘンプシードオイルを原料にして製造することができます。たとえば、日本にも輸入されているドクターブロナーのマジックソープは、で手軽に購入できる人気ヘンプ製品です。

ヘンプシードオイルの他に、ホホバオイル、オリーブオイル、ヤシ油を混ぜた液体と個体の石けん。合成添加物を一切使用せず、髪と全身を洗うのに使えるだけでなく、台所用、バス用洗剤、洗濯石けんとしても使えて、環境に優しいのです。私はこの石けんで自分の体から家の掃除、全てをカバーしています。THE BODY SHOPも、ヘンプクリームやヘンプ化粧品を販売していることで知られています。

最後に、やってはならないこと。
ごく当たり前のことですが、大麻を育てる土地を確保するために森林を伐採したりしたら 、本末転倒になります。
アメリカでは、すでに大麻畑のために環境が破壊されていることが問題になっています。大麻草は、どこにでも生える雑草のような草です。農作物が育たないような荒れ果てた土地での栽培も可能なのですから、かつての農地や空き地で、栽培を始めればいいのです。

このように大麻は、自由に使用することが許される世になった場合、人々の生活を豊かにすることができます。上記に挙げた大麻産業の中で、ヘンプミルクやヘンプソープなど、食品 /美容関係ではすでにビジネスになっているものもありますが、石油製品、紙製品に取って代わる産業は、まだ全く手がつけられていない夢物語です。だからこそ、完全に新しい産業であり、新しい雇用機会を生む金鉱です。これらの新大麻産業が興ったとしたら、日本にどれだけの豊かさが生まれるのか想像してみてください。