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鎮痛作用をもたらすモルヒネと大麻の違いついて

      2017/10/30

日本では医療大麻という言葉は徐々に知れ渡ることになったわけだが、そもそも何故医療大麻が世界各国で注目を集めているのか疑問だと思っている方も多いだろう。
その前に医療で使用する全ての成分には毒性が必ずあるという認識を忘れてはいけない。医療品は毒性があるがゆえに医師の診断のもとで適切な処方がされてるわけだ。

例えば、「モルヒネ」という成分は、大人であれば一度は聞いたことがあるだろう。
では、モルヒネはどういうものかというと、ベンジルイソキノリン型アルカロイドの一種で、チロシンから生合成されるオピオイド系の化合物である。
ケシを原料とする、アヘンから抽出される。

しかし、モルヒネは強力な鎮痛・鎮静作用があり、重要な医薬品である一方で強い依存性を持ち、麻薬に関する単一条約の管理下にある。
世界各国で麻薬取り締まり法規の対象薬物とされ、扱いが厳しく管理されている。
モルヒネからは、さらに依存性が強く、代表的な麻薬であるヘロイン(ジアセチルモルヒネ)がつくられると明記されている。

大麻にはモルヒネのような呼吸抑制がない

モルヒネと大麻のΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)の鎮痛作用のメカニズは基本的に同じことがわかっている。
オピオイド受容体もカンナビノイド受容体も共にGタンパク質共役型受容体で、受容体が刺激されてからの細胞内シグナル伝達は類似しています。
しかし、中枢神経系におけるそれぞれの受容体の分布の違いが依存症や安全性(呼吸抑制の有無)の違いの理由になっています。

モルヒネ及びその他のオピオイド系鎮痛薬はオピオイド受容体に作用して鎮痛、傾眠、呼吸抑制、消化管運動抑制、自立神経系変化などの薬理作用を発現しますが、モルヒネを長期に使用すると次第に作用の低下が起こり、同じ効果を得るのにより多くの服用が必要になってきます。
これを耐性と言います。

薬物耐性のメカニズで最も多いのが、薬剤を反復使用しているうちにその薬物の薬物代謝系が活発になって、分解が促進されるので、服用量を増やさないと同じ効果が得られないという作用があります。
さらに、受容体作動薬の場合は、受容体機能の変化による感受性低下によって耐性が生じることが知られています。
特にGタンパク質共役型受容体ファミリーの場合については、受容体のリガンド(作動薬)に対する親和性の低下、受容体とGタンパク質の脱共役、受容体の細胞内移行による細胞表面から受容体の消失、受容体の数の減少などが耐性発現に関与しています。

体には様々なフィードバック機構がありますが、このような受容体感受性の低下もその一つです。
受容体が過剰に刺激されると体の恒常性や平衡状態を維持するために「受容体のスイッチを切る」という制御を生体は行うのです。
モルヒネ耐性によって必要な鎮痛効果を得るためにモルヒネの服用量が増えると、次第に依存性を引き起こし、さらに服用量が増えるという悪循環を起こします。

延髄の呼吸中枢にはオピオイド受容体が多く存在し、モルヒネには延髄の呼吸中枢を抑制して呼吸抑制を引き起こす作用があります。
これがモルヒネなどのオピオイド系鎮痛薬による死亡の原因になっています。
がん以外の慢性疼痛に対するオピオイドの処方が植えているアメリカで、薬剤の過剰投与による死亡で最も多いのがオピオイド系鎮痛薬です。
アメリカでは、オピオイド系鎮痛薬の過剰投与による死亡が、1999年には4400人、2010年には16000人という統計が報告されています。
オピオイド鎮痛薬による死亡数が年々増加していて問題になっています。

薬物は、効果を発揮する用量(薬効量)と死亡する用量(致死量)の差が大きいほど安全性が高いと言えます。
例えば、アルコールは普通に酔う量が33gで、致死量が330gというデータがあります。この場合は、致死量と薬効量の比率は10になります。
このような致死量:薬効量の比率は、ヘロインが6、コカインやモルヒネは15、ニコチンが50、カフェインが100、大麻(マリファナ)は1000以上と考えられています。

つまり、モルヒネは安全領域が狭いので、耐性や依存によって過剰に服用すると、死亡の原因になりやすいと言えます。一方、テトラヒドロカンナビノール(THC)は延髄の呼吸中枢に作用しないため、呼吸を抑制する作用があります。
オピオイドに比べて大麻の安全性が高いのは、延髄の呼吸中枢に作用しないというのが主な理由になっています。

医療大麻が認可されているアメリカの州では、オピオイド系鎮痛薬による死亡数が減っているという報告があります。
大麻はオピオイドと同様の鎮痛作用があるにもかかわらず、大麻の安全領域は極めて広いので大麻で死亡することは無いためです。
これらの理由により、世界各国で医療で大麻を活用しようとする動きが急速に普及していることが要因です。

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