CBDオイルの摂取方法について

目次

CBDオイルとは

カンナビノイドは、大麻草(カンナビス)に含まれる生理活性物質の総称で、同定されていないものも含めて、100種類以上もあると言われています。カンナビノイドの中でもっともよく知られている物質が、テトラヒドロカンナビノール (THC)です。向精神性があることが知られており、ほとんどの国ではTHCは違法薬物として扱われていますが、多発性硬化症(MS)患者の神経因性疼痛、アルツハイマー病、PTSDの症状の緩和など、医療現場で用いられることもあります。

一方、THCと並ぶ主要なカンナビノイドとして、カンナビジオール(CBD)があります。CBDはTHCとは異なり、向精神性がないことが知られており、THCを含まないカンナビスの品種から抽出したCBDオイルは、サプリメントなどの健康食品として注目されています。
CBDは、てんかんだけでなく、不安、精神性障害、不眠、がん細胞の増殖抑制など、さまざまな効果があることが期待されています。CBDの摂取方法としては、口から飲む方法(経口投与)の他に、吸入、直腸、舌下など、さまざまな方法があります。ここでは、CBDオイルの使い方と、基本的な使用上の注意についてまとめました。

近年、CBDオイルが、てんかん、うつ病、不安、精神病性障害、糖尿病など多くの症状の緩和に効果があるとして、注目されています。
ここでは、CBDオイルと癌の治療に関して、まとめてみました。

CBDオイルの摂取方法

現在さまざまなブランドのCBDオイル製品が販売されていますが、どのくらい飲めばよいのかは、ブランドごとに異なる場合も多く、あまりはっきりされていません。一般的な指標としては、CBDOilReview.orgが1日2回CBD25mgを摂取することをサービングスタンダードと定めています。アメリカのミネソタ州にあるアメリカでもっともすぐれた病院の一つとされている、大規模な総合病院のメイヨー・クリニックでは、それぞれの症状に対するCBDオイル摂取の推奨量を示しています。

「がん患者の食欲を促進する:6週間の2.5mgのTHC(1mgのCBDを含む場合もある)を経口摂取
慢性疼痛の治療:25日間の平均2.5〜20mgのCBDを経口摂取
てんかんの治療:4.5ヵ月まで、毎日200-300 mgのCBDを経口摂取
ハンチントン病に関する運動障害の治療:6週間体重1kgあたり10mgのCBDを毎日経口摂取

睡眠障害の治療:40〜160mgのCBDを経口摂取。
多発性硬化症の症状の治療: 2〜15週間、毎日2.5〜120ミリグラムのTHC-CBDの組み合わせを含むカンナビス植物の抽出物を経口摂取。口腔スプレーの場合は、THC2.7ミリグラムおよびCBD2.5ミリグラムを含んでおり、最大8週間、2.5〜120ミリグラムの用量で用いる。患者は通常、3時間ごとに8回のスプレーを使用し、24時間のうちに最大で48回のスプレーを使用する場合もあります。

統合失調症の治療:4週間まで、1日当たり40~1,280mgのCBDを毎日服用
緑内障の治療: 20〜40mgのCBDを単一で舌下で使用。40mgを超える容量は、眼圧を上昇させる可能性があります。」CBD Oil Dosage – General Advice to Assess How Much CBD to Take(https://cbdoilreview.org/cbd-cannabidiol/cbd-dosage/)より引用

摂取量を決める際に考慮すべきこと

しかし、一般的な基準はあるものの、CBDの効果は個人により大きく異なるため、どのくらい服用すれば効果が表れるのかも人により、大きく異なります。
もう一つ考慮すべきことに、アントラージュ効果があります。アントラージュ効果とは、合成品や精製品などのようにCBDを単一で用いる場合よりも、植物全体の抽出物として用いた方が、複数のカンナビノイドの相互作用により、治療効果が高まることです。

ラットを用いて行った、単一のCBD薬と高濃度のCBDを含む植物エキス(CBD 17.9%、THC1.1%、CBC1.1%、CBG0.2%、微量のCBNとCBDVを含む)を比較する研究の結果、抗炎症効果と鎮痛効果については、単一のCBD薬の用量反応曲線は釣鐘状を示し、ある一定の濃度異常では効果が低下しました。一方植物エキスにおいては、用量と治療効果のあいだに相関関係があり、投与量が増えるにつれて治療効果が高まるという結果を示しました。

また、植物エキスと同等の治療効果を得るためには、はるかに多くの単一のCBD薬を必要とすることも明らかとなりました。これらのことを考慮すると、服用量を決める際には、服用するCBDが単一のものなのか、植物全体の抽出物なのかについても考える必要があります。

さらに、服用方法により、実際に体に吸収されて、利用される効率も異なってきます。この利用効率をバイオアベイラビリティと言い、経口では6%~15%であるのに対し、吸引によるものは30%~40%、直腸からの摂取(座薬)の場合は60%と言われています。

これらのことを考慮して、個人で購入した場合は、最初は、少ない量のCBDから利用を始めるようにしましょう。効果を確かめながら、期待する効果がみられるまで、ゆっくりと摂取する量を増やしていきます。また、症状が悪化したり、体調が悪くなったりした場合は、服用をやめて医師に相談するようにしましょう。また、幼児や、妊娠中・授乳中の人は服用しないようにしましょう。

副作用について

これまでのところ、CBDオイルには副作用は知られていません。そのため、各製品で決められている容量きちんと守っていれば、問題なく使用することが出来ると考えられています。それぞれの製品のパッケージには、必ず使用方法が記載されているはずなので、きちんと確認しましょう。

しかしながら、CBDオイルを利用してきた歴史はそれほど長くはなく、臨床研究もまだ途上のため、健康でない人や子どもに対する影響や、特定の薬物との相互作用などに関する知見は、まだ十分とは言えません。そのため、特に病気の治療中の人や健康に問題がある人が、CBDオイルを飲もうとする場合は、服用前に主治医とよく相談することをおすすめします。

また、他の薬やサプリメントなどと同時に摂取する場合は、薬局や医療機関で、負の相互作用がないことを十分に確認してください。

その他の注意事項

CBDの効果を得たい場合は、きちんと継続して服用することが大切です。自分の生活スタイルに合わせて、飲みやすい時間帯を決めて飲むようにしましょう。また、空腹時の方が吸収が良くなるために効果が出やすくなるともいわれています。アルコール類、興奮作用のあるカフェインなどとは、一緒に摂取しないようにしましょう。CBDのにおいが気になり飲みにくい場合は、他の飲料に混ぜて飲むこともできますが、CBDは熱に弱いため、熱い飲み物と一緒に摂取するのは避けましょう。

また、CBDオイルは、室温で保存するとかびや腐敗の原因になります。さらに、CBDが光などで分解する可能性もあるほか、温度や光の影響で脂質の酸敗も促進します。低温で光を避けて保存しましょう。また、保存中に成分が分離する可能性もあるため、使用前にはよく振ってから使うようにしましょう。