高濃度CBD品種が生まれた経緯

CBDはヘンプ(繊維を利用するために栽培される大麻草のこと。野生のものもある)が含有する、主成分カンナビノイドのことです。普通、THCとCBDをそれぞれ同量含むクッシュと言われる品種のヘンプから、ハシッシュ(雌株の花と葉から出る分泌液。主に喫煙される)を採取するために栽培されてきました。

しかし近年、合衆国および他の国でも、高いTHC含有量の草を求める声に応えるため、大麻草の遺伝子が操作されてきました。その結果、アメリカの大麻草産地北カリフォルニアで採れる草は、その遺伝子プールに有していたCBDをほぼ消滅させてしまったのです。

大きくわけて高含有CBD品種には二つのカテゴリーがあり、この二種は、2009年後期に北カリフォルニアの栽培者の天然CBDの再発見によって、広まっていきました。THCをほぼ含まないCBD優勢品種は、ほんの一握りしか存在しません(これは、嗜好品市場と医療大麻のグレーな市場ではたやすく入手可能だったのとは対照的でした)。また、CBDとTHCがそれぞれ同量の、よりバランスのとれた大麻草品種も存在します。

分析機関各所で幾度も試験されてきた最初期の高含有品種(ハーレクイン、サワーツナミ、ジャマイカンライオン、オムリタRxなど)は、CBDが8~10%、THCが5.5~7%という範囲で、CBDとTHCが3:2の割合のものでした。
こうした品種によって、それぞれ違う作用があるという話もあります。それぞれが含有するテルペノイドの性質において、こうした違いが出るのではないかと思われます。

初期に発見された品種「ウイメンズ・コレクティヴ・スティンキー・パープル」は、THCの10倍のCBDを含有するとされます。同じようなCBD優勢の表現型品種が、そのうちすぐにいくつか確認され、クローン化されることでしょう。
これらCBD優勢品種(カンナトニック、ACDC、シャーロット・ウェブ、ヴァレンタインXなど)が、抽出オイルに欠かせないカンナビジオールを収穫する目的で、広く育てられています。

CBD優勢品種の中には、実際には全く同じ植物なのにもかかわらず、違う名前のものがあります。LAのWerc Shop(大麻草分析機関)は、「オラクル」と「ACDC」という二つのCBD優勢品種がそれぞれ含有しているテルペンを分析し、この二つが全く同一のものであるということを突き止めました。

「テルペン分析は指紋のようなものです」と、Werc Shopの社長ジェフ・レイバー氏は説明しています。「同じ品種が違った名称で世に出ていることが見て取れます。違う名前で通っている、同じテルペン情報を持つ品種であるのがわかります。これで、同一品種であることが一目瞭然です」。

出典:project CBD