専門家が答える:大麻とCBDはコロナウイルスに効果あり?

この記事では、統合医療のエキスパートであるダニ・ゴードン医師が、「大麻やCBDはコロナウイルスの発症や回復に影響の与えるのかどうか」という皆さんの疑問にお答えします。

このところよく欧米で上がっている疑問は、CBDや医療大麻はコロナウイルスの発症や回復にどのような影響を与えるのかということ、そして健康を保つために他にできることは何か、ということです。

CBDは免疫力の向上をサポートするため、CBDを用いればコロナウイルスへの感染を防ぐことができるのか、またもし感染したとしても、CBDや大麻で治療を補助することができるのか多くの人が知りたがっています。感染した場合はNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)抗炎症薬がウイルスに悪影響を与える可能性があると言われていますが、「ちょっと待てよ、CBDも抗炎症作用だけど、CBDの場合はどうなるのか?」といった疑問もあるようです。

こういった疑問は、今のところ妥当なものと言えます。抗炎症薬がコロナに影響すると言っても、それらの間の関係性が事実なのか、そして関係があったとしても、それがどんなものなのかはまだ不明瞭です。さらなる情報が明らかになるまでは、熱にはアセトアミノフェンを使用し続けることを推奨し、処方箋でないNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)の使用は現在のところ避けるように多くの医師は勧めています。

CBDと大麻、そしてコロナウイルス

CBDと大麻がコロナウイルスに対する効果があることを示す研究はありません。しかしながら、医療大麻や大麻の喫煙がHIVの進行に対して使用された、興味深い研究はあります。Facebookやソーシャルメディアでは、多くのCBDや大麻の支持者が、「CBDと大麻で免疫力を高められたので、地球上に存在するさまざまなウイルスに立ち向かえるようになった、ぜひみなさんもCBDや大麻を摂るように」と薦めています。

しかし大麻の専門家にとっても、あるいは自然療法と西洋医療を習得した医師にとっても、人々に事実を知らせることと、まだ分かっていないことに対してはきちんと誠実になることが大切です。特に、私達がこうして皆一様に恐怖を抱え、自分自身や愛する人を守るためならなんでもしたい、と思っているときにこそ、偽りの主張をしないことが大切なのです。

時折、自然医療界にいる人々が犯す「奇跡の治療法」といったような誤った主張は、たとえ良心からのものだったとしても、人々の行動に有害な影響を与えますし、その産業自体も、でたらめのものであるかのようにその魅力を失わせてしまいます。

その結果、こういった植物医学を専門外とする、いわば「従来の」医療関係者や研究者たちを自然医療の業界から遠ざけてしまう可能性があるのです。そして、こうした植物医学が、オープンマインドな医師たちと共にここ数年でせっかく積み上げてきた学術研究や調査による信頼や支持にも傷がついてしまいます。

CBDや医療大麻のような植物医学は事実驚くべき効果があり、誇大に言ったり、現状で裏付けがとれていないような主張をする必要などありません。

どうやって免疫をサポートすればいいの?

おそらく免疫システムをサポートするための最も良い方法は、アルコールを避け、家の中でアクティブに過ごし(リビングルームでダンスパーティーなんてどうでしょう?)シンプルなリラクゼーションや瞑想の習慣を取り入れ、ストレスホルモンを下げることです。サプリメントにご興味がある場合は、リポソームグルタチオンと、アダプトーゲン(環境適応源)のキノコを取り入れるのもいいでしょう。直接的に免疫を押し上げるわけではありませんが、肝臓のサポートに役立つ可能性があります。

微量栄養素、亜鉛、ビタミンC、クエルセチンのようなフラボノイド(大麻にもリンゴにも含まれます)を豊富に含む食事をとり、そして良質な睡眠をとることからまず取り組みましょう。

睡眠中に生成される睡眠ホルモンのメラトニンも、免疫機能の健康をサポートします。深い呼吸をすること、そして笑うことも免疫システムにポジティブな影響を与えます。ですから、面白い映画を見て、お腹の底から笑うことで、一人で過ごしていても肺を活発に動かすことができます。

もちろんこういった「正しい」ことを全て行った上でも、コロナウイルスにかかる可能性はあります。しかし良いニュースもあります。それは、高いリスクのグループに属さない多くの人々が、症状も穏やかで、自宅で回復しているということです。感染者によっては、全く症状が出なかったり、自分が感染していることに気づかないこともあり、だからこそそれぞれが社会的距離を保つことがこれほど重要なのですが、それはつまりこういった無症状の感染者がコロナウイルスの場合非常に多いと考えられているからです。

ダニ・ゴードン博士 
MD(医学博士)、CCFP(かかりつけ医大学認定医師)、ABOIM(アメリカ統合医学委員会)、ABIHM(アメリカホリスティック統合医療委員会)
ゲストライター
英国大麻医学専門医
米国統合医療
医師専門コンサルティング&トレーニング

出典:HealthEuropa