全国調査:大麻の医療使用に関する腫瘍内科医の見解、実務ならびに知識

概要背景

医療大麻を合法化したほぼ全ての州において、癌が適応疾患とされているにも関わらず、腫瘍医学における医療大麻の用途を裏付ける研究はごくわずかです。本調査では、医療大麻法と科学証拠ベース間の相違が腫瘍内科医に対して臨床的課題を提示している、と仮定しました。本研究では、大麻の医療使用に関する腫瘍内科医の見解、実務ならびに知識について調べました。

手段

2016年11月、我々は全国からランダムに選出した400人の腫瘍内科医に医療大麻に関するアンケートをメールしました。主な結果判定法には、過去1年間で患者と医療大麻について話し合ったか、臨床的な使用を勧めたか、また医療大麻を勧める際に十分な情報を持っていると感じたかどうか、などが含まれました。また調査では、複数の症状(標準的な疼痛処理戦略に対する補助としての使用を含む)に対する医療大麻の相対的有効性、オピオイド系鎮痛剤と比較した際の医療大麻のリスクに関する腫瘍内科医の見解についても質問しました。標準的な統計的技術を使用して、二変量解析および多変量解析を実施しました。

結果

全体的な回答率は63%でした。医療大麻の勧告をするために十分な情報があると感じていた腫瘍内科医はたった30%でした。また医療大麻について患者と話し合った医師は80%、医療大麻を臨床的に勧めた医師は46%でした。67%が医療大麻を標準的な疼痛処理戦略に対する補助として有効であるとみなしており、65%が医療大麻を拒食症および悪液質に対する標準的な治療法と同等もしくはそれ以上に有効であると考えていました。

結論

本研究の結果は、腫瘍内科医の事故報告による知識ベースと医療大麻に関する見解や実務間の懸念される相違を特定するものです。腫瘍内科医の70%が医療大麻に関する臨床勧告を行う態勢が整っていないと感じているにもかかわらず、大半の医師が医療大麻について患者と話し合ったことがあり、約半数が実際に臨床的に医療大麻を勧告しています。大多数が、医療大麻は特定の症状について有効であると考えています。これらの研究結果は臨床的に重要であり、また医療大麻に関する研究、医学教育、政策における重要な空白を提示するものです。

出典:NCBI