系統的レビュー:カンナビノイド受容体と精神的苦痛・自殺行動

こんにちは!
自殺行動に関するカンナビノイド受容体の役割を調べた研究の要約を紹介します。大麻由来のカンナビノイドや人体にもともと備わっているエンドカンナビノイドが結合するカンナビノイド受容体が、自殺行動にも関係しているというのは驚きですね。日本の自殺率の高さは深刻な社会問題なので、自殺行動に効果がある治療の研究や開発が待たれます。

要約

レビューの目的
現在のセロトニンをベースにした自殺行動(SB)の生物学的モデルは単純すぎる。SBの病態生理学には他のバイオマーカーや生体系が関与している可能性を示す証拠が新たに浮上している。エンドカンナビノイドシステム(EC)とSBに関する論文は限られている。本論文の目的は、カンナビノイド受容体(CB1およびCB2受容体)とSBおよび/または精神的苦痛の間にある関係に関する全ての情報を再調査することである。

最新の研究結果
本レビューは、⑴と⑵に特定される少数で不均一な研究によって制限されている。
⑴ うつ病とアルコール中毒における前頭葉前部皮質と自殺に関するCBD受容体活動の上昇を説明する剖検調査。
⑵ 神経障害痛の抑制とストレス誘発鎮痛におけるCB1、CB2受容体の関与を裏付ける研究。

まとめ
我々は、カンナビノイド受容体、特にCB1受容体がSBの治療に対する新たな治療手段開発の有望なターゲットとなる可能性がある、と結論づけた。

 

参照:SpringerLink