視覚に与えるカンナビノイドの効果とは

オタマジャクシを使った実験

モントリオール神経学研究所の研究員らで構成されるチームによって、大麻草に含まれる活性成分カンナビノイドが脊椎動物の視覚にどのように作用するかを調査した。

実験対象となったのはオタマジャクシ。外因性および内因性、両者カンナビノイドが増加した状態による視覚への刺激に対し、オタマジャクシはどう反応を見せるのか。

この実験に当たって、様々な方法が起用された。外因性カンナビノイドは人工的薬剤であり、内因性カンナビノイドは生体内で自然発生するカンナビノイドのことである。

チームの予想に反し、オタマジャクシ体内で活性化されたカンナビノイドはシグナルを発しながら、目から脳へと情報を送り出す網膜ガングリオン細胞(RHCs)の中で増加される。

以前の研究ではカンナビノイドが増えることなく神経伝達を抑制することが分かっていた。

CB1受容体の働き

「例えばですが、それまで当り前だと信じられてきたこととは真逆の何かを見たとします。そうなると誰でもまずは自分自身を疑うものですよね。我々は何度もいろいろな技術を用いた実験を行ってきたんですが、やっぱりおんなじ結果が出たんです」

そう語るのは、マクギル大学のモントリオール神経学研究所で神経学と神経外科の教授を務め、新聞紙上でも執筆活動を行うエド・ルーセイザー氏。

「そういうわけで、以来我々はこの件について解明しなければならないと思っていました。何か重要なことだと確信したわけです」。

研究員らが発見したのは、CB1Rとして知られるカンナビノイド受容体がRGCsへの塩化物輸送を抑制する役割を果たすということであった。受容体が起動すると、塩化物濃度が減らされるのである。

そして細胞が過分極化される。刺激を受ければさらにこの現象は頻度が高くなるのである。

オタマジャクシにとって、これはカンナビノイドが増加しなかった時よりも、薄暗い中で対象を見つけることができるということを意味する。

オタマジャクシの行動変化を検証すべく、チームはマクギル大学の物理学と化学の教授であるポール・ワイズマン氏と共に、専用のソフトウェアを開発した。

哺乳類にも同様の実験調査を

果たして人間の視覚にも同様の影響をカンナビノイドは及ぼすのかどうかについては、まだ現時点では早計と言えよう。しかしながら、ここに大麻摂取によってジャマイカとモロッコの漁師たちの夜間視力が改善されたという科学文献の中の逸話も残っている。

ルーセイザー氏によれば、何より興味深いのは脳内信号における知られざるカンナビノイドの役割を発見できたということだ。カンナビノイドの治療使用は医学界でますます受け入れられるようになってきており、その脳内におけるカンナビノイドを正確に解明することが、これまで以上に必要となっている。

ルーセイザー氏は語る。

「我々の仕事によって、ニューロン発火におけるカンナビノイド規制のメカニズムの可能性がわかりました。しかし、同様のメカニズムが哺乳類の眼においても存在するのかを確認する必要性があります。かなりの技術が要求されますが、同じ研究をマウスの網膜で、またヒトの網膜細胞の培養組織において、行われなくてはなりません」。

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