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マリファナは脳のどこで働くのか?

      2017/09/26

脳内のどの領域がマリファナのさまざまな効果を引き出すのか

この点を突き止めようとする試みは、これまでにも数多く行われている。1960年代と70年代、多くの臨床検査室で脳波検査(EEG)として知られる技術を使い、頭脳組織が活性化したさい、頭皮から記録される微細な放電現象についての研究が行われた。

しかしマリファナを使って得られた結果は矛盾するケースが多く、マリファナに対する急性反応はときに覚醒型脳波パターンの活性がを示す一方で、休息状態や睡眠状態に特徴的な低速脳波の活性化もときとして見られ、脳波の変化が脳内の特定領域に限定される明白な事実はいっさい認められていない。

マリファナ摂取後の睡眠中の脳波を測定した実験では、睡眠型脳波パターンに注目すべき変化が見られた。マリファナを投与された被験者では、夢を見ているさいに特徴的な目を素早く動かす睡眠状態が減り、夢をともなわないより深い状態を占める低速波睡眠の量が増加していた。脳波検査に使う即敵は比較的鈍い機械といえ、脳の表層から発せられる弱い電気信号しかとらえることができず、これより深い脳構造で起こる変化についての情報は得られていない。

脳内お活性が局所的に変化するさまを監視し、映像化するために、これより強力な技術が開発されている。脳細胞の電気的活性の変化は、脳内の局所的な血流の変化を密接に結びついていることが知られている。神経細胞が活性化するとより多くの栄養素と酸素が要求されるようになり、この活性化によって自動的に微小血管が拡張し、血流が増加する結果になる。

大脳のなかの血流はさまざまな方法で監視することができる。陽電子放出断層撮影(PET)と呼ばれるもっとも強力な技術では、放射性同位体の標識を付けた少量の水が注入され、この放射性追跡子が、被験者を特殊なカメラのもとにおき、脳内の低レベルの放射性を探知することによって映像化される。また被験者が放射性同位体の標識を付けた少量の気体(キセノン)を吸入する場面もある。

追跡子(標識を付けた水やガス)は摂取後数分以内に脳内に入り、脳内の各部分に追跡子が存在する量が局所的な血流量おnちがいを反映することになる。カメラ映像は断層撮影法と呼ばれるコンピューター化された方法で分析され、脳内全体の血流の様子について三次元化された映像が示される。THCがマリファナ使用歴のある被験者に投与されると、ほとんどの脳内領域、つまり大脳皮質でもそれより深層の脳構造でも血流が増加する。

こうした変化はマリファナの投与後30分~60分でピークに達し、陶酔状態のピークとも一致している。血流の変化がもっとも著しく、被験者の陶酔状態の報告とももおっとも一致している領域は前頭皮質である。この事実が興味深いのは、前頭皮質がマリファナによる阻害にとりわけ敏感に反応する『管理』脳機能のコントロールにさいし、重要な役割をはたしているという考え方に合致するからである。

局部的な血流に関するほかの研究例もこれと似通った結論に達し、そこではもっとも著しい変化として前頭皮質と側頭皮質での血流の増加が報告されているが、これらの報告はマリファナがワーキングメモリに障害をもたらす事実とも矛盾しない。

脳内のどの領域がマリファナの働きとかかわっているのか

脳内のどの領域がマリファナの働きとかかっているのかを調べるもうひとつ方法は、脳内のCB-1受容体の解剖学的分布を調べることである。この点については動物、人間双方の脳を使ってくわしい研究が行われている。公にされた報告のほとんどはオートラジオグラフィー(放射能写真撮影)と呼ばれる技術を使い、頭脳組織の薄切(はくせつ)上にあるCB-1受容体を映像化している。組織片は、放射性同位体の標識を付けたカンナビノイド(通常は放射性水素原子を含んだCP-55940)とともに培養され、この追跡子がCB-1受容体と選択的に結びつく。

過剰な放射性追跡子は洗い落とされ、組織片が放射性に敏感な写真乳剤で覆われる。しばらくすると乳剤の層が現像液を使って処理できるようになり、銀色の粒粒がCB-1受容体を含む領域上に観察できるようになるこうしてオートラジオグラフと呼ばれる白黒の二次元映像が作成でき、これが特定の組織片における受容体の分布の様子を示すものとなる。黒と灰色の色調の違いは、さまざまな脳内領域での受容体部位の密度の量的な違いを反映し、この違いは光透過率の違いを測定する機械を使って光学的にオートラジオグラフィーをスキャンすることによって、量的に測定することができる。

数多くの組織片を調査し、またさまざまな位置で切断することによって、脳内の受容体の詳細な分布図を作成することが可能である。また死後の人間の脳組織の切片を使ってこれと同じような研究が行われ、結果はCB-1受容体分布の全体的パターンが人間の脳においても似通ったものであることを示している。

動物でも人間でも大脳皮質、とりわけ皮質の前頭部分には高い密度でCB-1部位が存在している。これらの受容体部位は明らかに管理的脳機能に対するマリファナの複雑な効果の多く、たとえば幻想や離人症(非人格化)、時間間隔の変化といった現象を仲介しているものと考えられる。大脳の基底核にもきわめて高い密度でCB-1受容体が存在している。基底核は前頭皮質の根底部にあり、随意運動の調整にかかわっている深部脳構造である。

脳の後部にある小脳はバランス感覚や細かい動きの調整にかかわる領域だが、ここにもまたCB-1受容体は豊富に観察される。これら2つの領域に受容体が存在する事実はおそらく、マリファナが引き起こすバランス感覚や歩行、細かい動きのコントロールにおける機能障害を説明するものと思われる。感情動作に重要なかかわりをもつとされる『大脳辺緑系』領域にCB-1部位が存在することは、マリファナによる多幸化効果や、場合によっては恐怖不安反応を引き起こす能力を説明する助けになるかもしれない。

脳内のカンナビノイド受容体CB-1の機能的神経構造

大脳皮質でのCB-1結合部位は、前頭部では背面後頭皮質に比べてほとんど2倍に近い密度で存在している。とくに高い受容体密度が観察されるのは前葉体皮質で、これは大脳の血流量を調べる研究で、マリファナ摂取後の被験者の陶酔レベルと相関する著しい増加を示した領域のひとつである。前葉体は辺緑系回路の一部で、感情コントロールにさいして重要な役目をはたしている。ほとんどの皮質領域で受容体の分布は薄層状をなし、そのうちI層およびVI層でもっとも高い密度を示している。

大脳皮質、とりわけ前頭極でのマリファナの働きは、マリファナ・ハイの多くの局面を説明するものと考えられる。大脳の血流量を調べる研究の結果、陶酔状態ともっとも強い相関を示す大脳の血流量の増加は、右側の前頭皮質で見られることがわかった。この事実が興味深いのは、ほとんどの人間で右脳は感情の仲介とかかわり、片や左脳は分析的思考や行動によってより重要な領域とされるからである。
底核における高密度でのCB-1受容体の存在は衝撃的である。受容体はとりわけ、線条件遠心性神経の神経核、黒質、淡蒼球に豊富に存在する。これらの神経核におけるCB-1部位のほとんどは、線条件遠心性神経の終末にシナプス前のかたちで位置しているものと見られる。線条件に興奮毒性損傷を与えると、淡蒼球や黒質のCB-1結合が著しく損なわれることになる。

CB-1結合部位が豊富な線条件や淡蒼球の背面領域と、受容体の密度がこれらよりはるかに低い腹面領域とでは、著しい勾配(密度の段階的変化)がみられる。淡蒼球の背面と腹面とえはとりわけ各差が激しい。線条件の背面領域は主に感覚系や運動系、錘体外路運動のコントロールにかかわり、片や線条件腹面は辺緑系と強く結びつき、動機付けや感情動作のコントロールにより深くかかわっていると考えられている。よってCB-1部位の分布は、若干驚くべき印象を与える。マリファナは動機機能にも影響を与えるが、その主たる働きは陶酔作用だからである。

線条体腹面と関係のある領域(例えば坐核の外郭領域)でドーパミン作用性の活性を選択的にもたらすTHCの能力を考えると、線条体腹面に高密度でCB-1部位が存在することも予想される。小脳では、CB-1受容体は構造のあらゆる部分で分子層全般に豊富に認められ、そのほとんどは顆粒細胞繊維の軸索と終末シナプス前のかたちで位置するものと考えられる。

小脳のCB-1受容体はおそらく、カンナビノイドが引き起こす運動失調やカタレプシー(強硬症)を仲介するものと考えられる。イヌがカンナビノイドに対して顕著な運動失調・カタレプシー反応を示すことは注目に値するが、他の哺乳類に比べ、イヌの小脳には特にCB-1受容体が豊富に存在するのである。

海馬ではCB-1部位は錐体細胞の細胞体と頂端歯状突起に集中し、これらの受容体はマリファナの短期記憶への効果の一部を仲介するにあたり、需要な役割をはたしているものと考えられる。嗅球には高い密度でCB-1受容体が存在するが、これらがマリファナの作用の何らかの局面と関係しているかどうかは明らかではない。受容体は視床下部の一部の領域にも存在し、これがマリファナの心血管昨日や体温調節への効果を説明するものである可能性がある。

脳幹構造にCB-1受容体が比較的少ない事実は、明らかにカンナビノイドの毒性が低いことと関係している。カンナビノイドは呼吸や血圧のコントロールに関わる重要な脳幹核に直接作用しないのである。密度は比較的低いものの、CB-1受容体結合部位は脊髄にもあらゆるレベルで見られ、後角にも豊富に存在する。これらの部位はカンナビノイドの鎮痛作用を仲介するさい、またカンナビノイドとオピオイド鎮痛薬との相乗作用にあたって、重要な役目を果たしている可能性がある。

出典:マリファナの科学

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