ジストロフィーmdxマウスの筋肉の質および能力に対する非恍惚性植物性カンナビノイドの効果

背景および目的

ジストロフィン欠如によって引き起こされるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、慢性炎症および不可逆性の骨格筋変性をもたらします。さらに、関連する自食作用の低下が、損傷を受けた細胞内顆粒の蓄積を引き起こし、これが筋損傷の悪化に大きな一因となります。我々は生体内で炎症を軽減し、機能的自食作用を回復させ、筋機能を積極的に強化するために、カンナビジオール(CBD)、カンナビジバリン(CBDV)、テトラヒドロカンナビジバリン(THCV)を含む大麻に含まれる非恍惚性化合物を使用することの可能性を探求しました。

重要な結果

我々は、CBDおよびCBDVが主にTRPV1活性化を通じた細胞内カルシウムイオン濃度の増加によって、マウスC2C12筋芽細胞の筋管への分化を促進することを発見しました。TRPV1活性化は急速な脱感作を受ける効果です。またCBDおよびCBDVは、DMDドナーからの筋芽細胞の分化も促進しました。健康なドナーから単離された衛生細胞から作られた初代培養においては、CBDおよびCBDVだけでなくTHCVも筋管系性を促進しました。この場合、主にTRPV1活性化によるものです。ジストロフィンが欠損している筋ジストロフィーマウスにおいて、CBD(1kgあたり60mg)およびCBDV(1kgあたり60mg)が2つの明白な年齢層(生後5〜7週および32〜34週)で、自発運動の損失を予防しました。この効果は、組織および血漿の炎症誘発マーカーの抑制、自食作用の回復に関連していました。

結論

我々は、植物性カンナビノイドと骨格筋内のTRPチャネルの相互作用に関して新たな洞察を提供します。これは、DMD患者における筋変性を予防する新たな補助治療の機会の可能性を強調するものです。

掲載誌のBr J Pharmacol.2018年3月号に掲載された研究論文を翻訳
Effects of non-euphoric plant cannabinoids on muscle quality and performance of dystrophic mdx mice.