CBD・カンナビジオールとさまざまな症状との関係性 PART1

カンナビジオール(CBD)と薬物依存治療の関係性

大麻草の規制緩和や医療現場での使用は、マリファナ依存症患者を増やすというイメージが強いですが、研究では、他の薬物依存の治療薬としての可能性を示唆しています。
ニコチン依存症の軽減、アルコール使用障害による機能障害の予防、オピオイド依存症のメタドン代替治療において脱離症状軽減に効果があったという報告がされています。

CBDがアルコール誘発性脳劣化、アルコール性肝臓障害に予防効果があるという報告もされています。
ロンドン大学で24名(12名プラセボ薬)の二重盲検法によって行われた7日間の研究では、プラセボ薬と比較してCBDを与えられたグループの方が40%のたばこ消費を減らしたという報告があります。

トーマス・ジェファーソン大学で行われた研究では、90人の催眠薬に依存する個人の症例観察を通して、マリファナがオピオイド依存症治療で一般的に使用されているメタドン代替治療を受けている患者の禁断症状を和らげたと報告されています。

カンナビノイド種類 : CBD
作用機序 : CB1,CB2,FAAH阻害

カンナビジオール(CBD)と統合失調症スペクトラムとの関係性

総合失調症は、現在では脳の中の、神経伝達物質の異常が原因と考えられており、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。
およそ100人に1人弱がかかる頻度の高い病気です。

総合失調症の患者に対して摂取するTHCとCBDの比率による影響に関する8つの研究のレビューでは、CBDの比率が高いと幻覚や妄想の症状進展のリスクを軽減する可能性が示されました。神経画像の研究では高いCBD含有量の方がよい神経状態を示した結果となりました。

CBDの臨床研究では、CBDを投与する20名と既存の抗精神病薬アミスルプリドを投与する19名で二重盲検法によって行われました。
CBDは最大1日800mgの経口投与で、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)と簡易精神症状評価尺度(BPRS)で評価されました。
両方とも安全で治療改善が見られ、CBDは副作用が少なかった。
副作用が少ないという点で新しい抗精神病薬として有望とされています。

カンナビノイド種類 : CBD
作用機序 : CB1,CB2

カンナビジオール(CBD)と関節炎との関係性

関節炎は、二つの骨の間の領域=関節での炎症であり、発赤、腫脹、圧痛、こわばり、可動域制限などがともないます。
その中でも関節リウマチは、慢性の関節炎で、自己の免疫が主に手足の関節を侵し、これにより関節痛、関節の変形が生じる。炎症性自己免疫疾患と呼ばれています。

イギリスの医療用大麻を使用した患者に対する調査では、20%以上が関節炎にマリファナを使っていたと報告しています。
臨床対照試験は、2006年1月に発表されたイギリス・ロイヤル国立リウマチ病院の研究チームによるもので、サティベックスを関節リウマチに使って、カンナビノイドによる関節炎の治療に成功したとしています。
論文によると、サティベックスを58人に5週間投与したところ、運動にともなう痛み、安静時の痛み、睡眠の質、炎症、痛いもの強度でプラセボ対処群よりも統計的に著しい改善が見られ、深刻な副作用もありませんでした。

また、中国の研究によると、CB2の活性化が関節の骨破壊の中心的役割を持つFLS細胞(繊維芽細胞様滑膜細胞)の増殖を抑えることを突き止めています。

カンナビノイド種類 : THC,CBD,CBG,CBC,CBGA,THCA,CBDA
作用機序 : CB2

カンナビジオール(CBD)と認知症・アルツハイマー病との関係性

アルツハイマー病は、認知症の代表的な疾患で、たんぱく質の異常な沈着により、脳に至るところにアミロイド斑とタウタンパク質からなる神経原線維変化が生じ、もともとは健康であったニューロンが、効率よく機能しなくなり、時間の経過とともに、相互に機能して連絡し合う能力を失い、最終的には死滅する神経変性疾患です。

これらは、一言で言うと神経細胞死が進む病気です。
記憶力の低下、注意力の低下、失語、失行、失認、遂行機能の低下、見当識の低下、意欲の低下、自立神経の機能低下、社会的判断能力の低下という様々な症状に見舞われます。

カンナビノイドは、あらゆる薬物を脳内に入れないようにブロックする機能を持つ血液脳関門を通過することができるため、脳内の神経細胞上にあるCB1,CB2、内因性カンナビノイドの生成・分解の酵素へ直接的に働きかけることができます。
これらの複数の経路を通じて、老化とともに進むエンド・カンナビノイド・システムの機能低下から守ることができると推測されています。

カンナビノイド種類 : CBD, THC,CBG,CBC,CBGA,CBCA,THCA,CBDA
作用機序 : CB1活性、CB2活性、AEA/2-AGレベル増加、EC酵素阻害