イギリス:国民健康保険が11歳の少年に初の医療大麻を処方

ビリー・カードウェルは11月にアメリカを訪れて以来、発作に対して大麻オイルを摂取してきました。国民健康保険(NHS)にとって初めての医療大麻に関する処方箋が、深刻なてんかんを患う11歳の少年に与えられました。

ビリー・カードウェルは昨年11月に、医療大麻が合法であるカリフォルニア州の小児期てんかん専門医の診察を受けて以来、発作に対して大麻オイルを摂取してきました。ロサンゼルス小児病院の小児神経科長ダグラス・ノードリは、大麻草に含まれるCBDとして知られる化合物を含んだ薬をビリーに与えました。ビリーの母シャーロット・カードウェルは、結果は「素晴らしかった」と話し、薬がなくなったら処方してもらえるか北アイルランドの家庭医に聞きました。

科学者たちは大麻の医学的用途に関するさらなる研究を要求してきました。「これは未開発の膨大な可能性を持つ分野だ」この分野の新たな学問的プログラムに携わるオックスフォード大学准教授は言います。

しかし彼らはまた、適正な比較臨床実験が行われない限り、ビリーのようなエピソードは薬としての大麻の有効性を証明するものではないと警告してきました。患者の回復には多くの要因が考えられるからです。

シャーロットはBelfast Liveに対し、地元の家庭医が処方してくれて“嬉しかった”と話す一方で、ブレンダン・オヘア医師は“滅多にない、普通ではない”状況だったためにCBDオイルを処方したと話しています。シャーロットは次のように話しています。

「本当に嬉しかったです。私たちに残されていた唯一の選択肢は、アメリカに渡り、ダグラス・ノードリ先生にCBDオイルを処方してもらい、持って帰ってくることだったんですから。私たちは診療所に行き、受け取りました。それほどにシンプルでした。誰も法を犯していませんし、ビリーが薬を必要とする金曜日までに準備できたのです」

ダブリンに拠点を置く新興の製薬企業グリーンライト・メディシン社がオイルを供給しました。グリーンライト・メディシン社は大麻を元にした薬を開発しています。大麻はイギリスにおいてクラスB薬物に指定されていますが、カンナビジオール(CBD)は娯楽使用に伴う“ハイ”を生み出さないため、医薬品・医療製品規制庁(MHRA)によって薬剤として再分類されました。

これは、医師が例外的な事例において患者のために、CBDを含む薬の製造または輸入を指示できることを意味します。乳児の頃からてんかんに苦しんできたビリーは、ひどい時期には1日に100回もの発作を起こしてきた、と49歳のシャーロットは話しています。しかし11月の渡米以来、月に25回あった発作が8回に減り、過去3ヶ月は一度も発作を起こしていません。

「正しいこと、間違っていることが何であろうと、ここにその恩恵にあずかった子供がいて、そして子供の健康が最優先です。その上で私は処方箋と投書を発行しました」オヘア医師はThe Telegraph誌に語りました。

現在ビリーは2種類の大麻オイルを摂取しています。1つはCBDを含むオイル、もう一つはテトラヒドロカンンアビノール酸(THCA)という化合物からできるオイルです。テトラヒドロカンナビノール酸は、大麻の精神活性作用との関連からイギリスで厳しく違法とされています。

「2種類の小さなオイル瓶です。一つはCBDで、合成物質も化学物質も入っていない非常に高品質な全草抽出液です」シャーロットはITV局の番組「This Morning」で話しました。

「もう一つの瓶はTHCAで、これがこの国で議論の的となっている部分です。法的限界は0.2ですが、これはわずかにその限度を超えています。ビリーには効いています。今日でもう90日間以上も発作が起きていません」

イギリスでは現在、多発性硬化症(MS)患者の筋肉けいれんを軽減するために開発された一つの大麻薬剤が認可されています。サティベックスと呼ばれる経口スプレーには大麻草の2種の化学抽出物が含まれています。サティベックスは2010年にイギリスで認可されましたが、あまりに高価だと考えられているため、イングランドでは通常NHSを利用して入手できません。しかしウェールズではMS患者は入手することができます。

チャリティー「てんかんオークション」によると、反復発作を引き起こす脳疾患であるてんかんの患者はイギリスに約60万人います。

出典:INDEPENDENT