アメリカにおけるマリファナの歴史は、長きにわたる戦いそして価値観の衝突の歴史でもある。大麻草(医療・科学界での呼称)の使用は、乱用、またはよりハードなドラッグの使用への一歩を踏み出すに等しい、という一般論を信じる者がいた。一方で、大麻は安全かつ多くの病気に有効であると主張する者もいた。嗜好品として、または休息の友として、マリファナを使う数百万人が現に存在する。だから今もなお、大麻は使用され続けているわけだ。
こうした論争の種となってきた、日光を栄養源とし、ほぼいかなる環境下でも雑草のごとく育つ、耐寒性・適応性に優れた植物・大麻草。その鋸歯状の葉と、もじゃもじゃの花から出る粘着質の樹脂は、特有の油状化合物を多く含有し、中には摂取すると大脳に神経化学的変化を起こすものもある。
大麻には、深い文化的歴史がある。中央アジアが原産のこの植物は、殊に人類のシャーマニズムのしきたりにおいて、その姿を現す。有史以前から伝承され、大麻草の治療的有効性と、その丈夫な繊維の使い道は、徐々に世界中に広まっていった。地域から地域へと伝えられ続けたこの香り高い薬草は、ひとつの場所に留まることはなかった。一度新たな土地に根付いた大麻は、そこから消えることは決してなかったのである。つまり大麻草は常に伝播され、ある文化圏から別の文化圏へと、永続的に跳躍し続けたのだ。
1996年、また偉大なる跳躍がなされた。医師から患者への大麻使用を認可する215案が可決され、カリフォルニア州の投票者たちが、政界・医学会を脅かす。以降、同様の法律が他の16州、そしてコロンビア特別区でも制定されつつある。成人の嗜好用大麻合法化への取り組みについては、2014年11月に数州で投票されることになったのだった。
【マリファナ13の重要な出来事】
①ルイ・アームストロング(ジャズ・ミュージシャン)
「大麻は薬と同じようなもの」。
②デルモニコ・ホテル
パークアヴェニューにあるこのホテルで、1964年8月28日、ボブ・ディランがビートルズに大麻を伝授。
③アレン・ギンズバーグ(詩人)
1965年1月10日、マンハッタン6番街の女子刑務所前でデモを主導。
④ラファエル・メコーラム博士(ヘブライ大学)
イスラエルの科学者メコーラム博士は1965年にTHCを合成し、解明。
⑤エッジウッド兵器工場
合衆国化学兵器部隊の本部にあり、秘密裡に士気高揚のため合成マリファナを投与されていた。
⑥トッド・ミクリヤ博士による初の大麻医療使用
1967年に国立メンタルヘルス研究所で、忘れ去られていた大麻に関する文献を掘り起こし、医師や科学者の関心を集める。
⑦ロバート・ランダル(活動家)
医療大麻運動の中核であり、1976年自身の緑内障に有効な唯一のものだとして大麻使用を認めるよう合衆国政府を相手取り訴訟を起こす。
⑧ジャック・ヘレー(活動家)
食物、繊維、薬品、そして嗜好品として、多面的でエコな大麻の可能性を推進。
⑨ブラウニー・メアリー(活動家)
サンフランシスコ病院において、HIV感染患者に無料で大麻入りブラウニーを一か月15000個ふるまう。
⑩デニス・ペロン(活動家)
最も議論のまととなった活動家。サンフランシスコ・大麻バイヤークラブを設立。
⑪2003年10月 アメリカ合衆国保健福祉省「大麻の抗酸化作用および神経保護」の特許
⑫2012年4月2日 大麻栽培コース設置のオークスターダム大学を捜査
⑬シアトルの大麻フェス
マートル・エドワーズ公園で8月の第三週目の土日に開催されている。
ハフィントン・ポストより