合成カンナビジオール薬への期待

世界各国で物議を醸し出している大麻草のカンナビノイド成分について、アメリカで論争が巻き起こっている。
大麻から抽出されるカンナビジオール(CBD)の使用の合法性について、大麻産業協会と米麻薬取締局(DEA)が争う中、合成CBDへの関心が高まると見込まれている。

バイオ企業カリテラ(Kalytera)の最高経営責任者(CEO)、セス・ヤカタンは合成CBDについて、合成薬である以上、法的制約はないと主張している。医療目的で大麻を使用している人たちの中には、CBDは大麻ほどには効果がないとの意見もあるが、法的な問題を理由に合成薬の需要が高まる可能性がある。つまり、天然由来成分でなく、合成的に製薬会社が作ったCBDを法的な問題がないと主張しているのだ。

合成カンナビジオールと天然由来カンナビジオール成分の違い

医学的な観点から見ると天然由来カンナビジオール成分の方が人体に影響を与えることがわかっている。同じように合成カンナビジオールは直接的な効果はあるものの天然由来成分と同等な作用が得られなかったと一部の研究データなどから判明している。つまり、製薬会社が研究・開発した合成カンナビノイド商品はエンドユーザーからの人気がそこまでないのだ。天然由来カンナビジオールを摂取した多くの患者が合成カンナビジオールを有効的だと考えていないことがわかる。

天然由来カンナビジオールが最適な摂取方法

この問題は各国々のルールによって使用の有無が決まってくる。天然由来カンナビジオールが人体に良い影響があっても法律上の観点で規制対象になれば当然使用することが禁じられるのである。今後カンナビノイド成分については、議論される機会が増えていくのは間違いない。カンナビノイドの研究・開発が最優先に行われ、臨床実験に基づき化学的な根拠が示されれば規制緩和に向かうのではないかと認識している。

しかし、アジア諸国は大麻に対して非常にネガティブな考えがあり、医療で大麻を使用することは非常に難しいのではないかと推測される。日本では天然由来のCBDオイルなどは安心に使用することができるが、他国で使用されているかは不明である。この点では、アジア諸国でフィリピンが非常に早くに医療大麻を解禁している。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領自身も麻薬撲滅運動を自国で大々的に行ったことで有名ではあるが、医療大麻に関しては化学的な観点から有効性があるものだとし医療大麻を解禁している。タイなどでも医療大麻に関する議論は行われており、国民の8割に相当する国民が医療大麻を解禁するべきだと主張しているようだ。

有効とされる疾患にはカンナビジオールが効果的

カンナビジオールで救える命があるのであれば有効的な使用を認めるべきではないだろうか。医薬品でも難治性などの疾患に効果的とされる新薬は存在するがその新薬さえ効果がなく、医師に匙を投げられる場合などがある。

一昨年CNNの報道を見て目を疑ったことがある。ドラベ症候群という難治性のてんかんが世の中には存在する。幼い少女は毎日のように激しい発作に苦しみ、ただただ回復する兆しがないまま毒性の強い処方薬を飲み続けていた。しかし、担当医からもうどうすることもできないと両親は告げられ、CBDオイルを娘に摂取することを決意したそうだ。

高濃度CBDオイルを娘に摂取させたところ、1日300回もあった発作が徐々に治まっていく様子がうかがえたのである。継続してCBDオイルを摂取することにより、その少女は劇的な症状回復を見て、発作も0回から1回にまで改善されたのである。このようなケースは難治性疾患に限ったことでなく、様々な疾患に効果があるとされている。