大麻由来CBD成分の医療利用をブラジル国内合法化求める動き

ブラジル国会は現在、カンナビジオール(CBD)を合法化する法案を審議している。カンナビジオール(CBD)とは、大麻草に含まれる85以上のカンナビノイドのひとつで、重度のてんかん発作を患う患者の治療に使われるという。

20歳のデボラさんは、てんかんの一種であるトラべ症候群を患っている。様々な治療の試み3ヶ月前からは、カンナビジオール(CBD)を摂取する試みを行った。大麻草から抽出した化合物CBDオイルを摂取してからすぐに違いが出てきたという。睡眠が改善され、発作が大幅に減ったという。1ヶ月に15回から42回あった発作が7回までに減少された。

大麻由来の処方箋は、ブラジルでは違法である。しかし、上院が現在大麻草合法化法案を審議しており、その中にはカンナビジオール(CBD)も含まれている。保健省は一定条件の元で輸入を認可しており、大麻草治療を認められている人は、ブラジル国内に200人いるという。

承認する医師は、大麻草の効能に自信を持っていると説明するのは、デボラさんを担当する精神科医である。嗜好品大麻には妄想などの弊害があるが、カンナビジオール(CBD)は全くの別物であり、患者の現実も知る必要があると説明する。

彼らは投薬治療の影響や病気のせいで、ボーっとしてしまう症状に見舞われるが、そうした症状は90%以上の確率で、改善していると担当医は言う。だが、カンナビジオール(CBD)は高額で、1ヶ月の治療費は最高1500ユーロと非常に高いのが現実。使用するには国家衛生監督局の承認が必要で、ブラジル同局は、国内での製造には反対している。

デボラさんの弁護士は、衛生監督局は保健分野を仕切っている。医療大麻が合法となり、国内で栽培されれば支配力を失うのを恐れて、反対している。カンナビジオール(CBD)に使う大麻草は、産業用大麻草を使用するため、向精神作用がなく、安全性が非常に高い成分である。

ブラジル国内では産業用大麻の茎から抽出したヘンプメッズ社RSHO・CBDオイルが一部の疾患に処方される。現在RSHO・CBDオイルを処方されている患者数は明確になっていないが、摂取した人の症状が明らかに改善されていることも考慮し、医療大麻の合法化が推し進められている。

ブラジル国内では、カンナビジオール(CBD)を製造し、関係者のネットワークを使い、CBDオイルを必要とする人に無料で与えている人がいるという。デボラさんたちのように世界各国で医療大麻合法化を待ち望んでいる人たちは多く、その方向への進展を切に願う。