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合成CBD vs. 植物由来のCBD

      2017/08/02

合成CBD vs. 植物由来のCBDについて

イスラエルでの画期的な研究は、植物全体から抽出したCBD-豊富なカンナビス抽出物が、合成された、単分子のカンナビジオール(CBD)と比較して、優れた治療特性を持つことを示しています。

薬理&薬局ジャーナル(2015年2月)に発表された記事は、大手製薬会社や医療産業複合体の聖域の一つ-「粗」植物製剤は本質的に、純粋な単分子化合物よりも、低品質で効果も劣るという考え-に真っ向から挑戦しています。

カンナビジオールを豊富に含むカンナビス抽出物を使用した、カンナビジオールのベル型用量反応(訳注:薬物の有効性が低用量および高用量では低くなり、正規分布のようなベル型の有効曲線を描く反応)の克服」というタイトルのこの記事は、共著者である、ルミール・ハヌス(Lumir Hanus)氏の寄与によりいっそう注目されました。
ルミール氏は、1992年に哺乳動物の脳で初めて同定された内因性カンナビノイド化合物である、アナンダミドの発見に尽力した人です。

ハヌス氏とエルサレムのヘブライ大学の2人のイスラエル人の共同研究者は、科学文献を調査し、過去15年の間に発表された数多くの前臨床試験は、関節リウマチ、炎症性腸疾患、多発性硬化症、および糖尿病などの種々の病態の動物モデルにおける、純粋な単分子CBDの抗炎症効果に焦点を当ててきたことを指摘しました。(CBDに関する前臨床データを参照してください。)

これらの研究は、純粋な、単一分子のCBDの投与は、ベル型の用量反応曲線を持つこと、つまり、CBDの投与量が一定の量を超えたときに、その治療の影響が劇的に減少することを示しています。
「CBDは、非常に限られた用量の範囲で与えられたときのみ、治療効果が観察されたのに対し、それより多い量や少ない量を投与した際には、有益な効果が得られなかった。」と、著者らは観察しました。
このような、ベル型用量反応として現れる、単一分子のCBDの特性は、臨床現場にいて、その有用性を制限する重大な障害となります。

イスラエルの研究チームは、植物体からのCBDに富む抽出物をマウスに投与した場合、ベル型の用量反応曲線を生成するかどうかを調べました。
あるいは、CBD-豊富なカンナビスから抽出されたカンナビジオールは、この負の特性を回避できるのでしょうか?著者らは、「本研究の目的は、精製されたCBDの示すベル型の用量反応を排除することができるCBDのソースを見つけることでした。」と述べました。
科学者たちは、イスラエルの医療用大麻の生産者であるTikkun Olam氏から「Avidekel」と呼ばれるCBD-豊富な株を入手しました。
この研究では、「クローン202」と呼ばれる「Avidekel」はほとんどTHCを含んでおらず、したがって、中毒にはなりません。

Avidekelの起源は、スペインに遡ることができます。
スペインでは、ブリーダーが「Cannatonic(カンナトニック)」(「大麻トニック」の目的で)のいくつかの表現型を開発した土地であり、カンナトニックには、乾燥重量で20%近いCBDが含まれ、中毒性のある成分をほとんど含まない系統が含まれています。(同じ高収量のCBD-優勢株はカリフォルニアの「ACDC」として知られています。)

イスラエルの研究者は、クローン202からCBD-豊富なオイルを抽出しました。
この抽出物の組成は、17.9%CBD、1.1%THC、1.1%カンナビクロメン(CBC)、0.2%カンナビゲロール(CBG)、およびごくわずかのカンナビノール(CBN)とカンナビバロール(CBDV)(訳注:カンナビバリンとも呼ばれています。)です。
この抽出物を、抗炎症および鎮痛作用を評価するためにマウスに与えました。

科学者は、比較のために、別のグループのマウスに純粋な合成CBDを投与し、その抗炎症性及び鎮痛性を評価しました。
彼らはまた、単一分子のCBDおよび全植物からのCBDが、全身性炎症シグナル伝達分子である腫瘍壊死因子(TNF)αの産生を阻害する程度を比較しました。
TNF-α産生の調節不全は、癌、アルツハイマー病、うつ病、および過敏性腸症候群などのいくつかの疾患に関与しています。
純粋なCBDの実験結果は、以前の前臨床研究の知見を確認しました。
つまり、この実験でも、単一分子のCBDの投与は、狭い治療範囲を有するベル型の用量反応曲線を作成しました。

しかし、クローン202からの抽出物をマウスに投与した場合には、異なる用量反応パターンが観察されました。
純粋なCBDで示したような、一定の濃度でのみ治療効果を達成することができるベル形曲線を示すのではなく、植物全体からのCBDに富む抽出物は、疼痛、炎症、およびTNF産生を、直接的に、また用量依存的に阻害しました。

イスラエルの研究チームは、「生成されたCBDとは全く対照的に、クローンのエキスでは、抗炎症性および抗侵害受容応答と、服用量との間に、服用量が増加するにつれて反応も強まるという、明確な相関関係を提供しました。
このことは、この植物性の薬品が、臨床目的で用いる場合に理想的であることを意味しています。」と報告しています。
また、イスラエルの研究者は、クローンからの抽出物中のCBDは、同じ鎮痛効果を得るために必要とされる純粋なCBDの量の多さと比べて、はるかに少ない量で、有意に痛みを軽減させることを明らかにしました。
そして、特定の投与量よりも多くを投与した場合、純粋な、単一分子のCBDでは有効性の劇的な低下がみられたのに対し、植物全体からのCBDに富む抽出物は、「過剰投与」により、その治療効力を弱めることはありませんでした。
クローン202から抽出したオイルを、最適な用量よりも過剰に投与した場合は、その有効性は横ばいになりました。
このことは、薬効がプラトーに達したことを示唆しています。

イスラエルの研究では、カンナビスのクローン202の抽出物は、「炎症状態の治療のためには、CBDよりも優れている」ことが明らかとなりました。
全植物の抽出物がより高い治療効率を持つことは、CBDと数十種の少数の植物カンナビノイドと何百もの非カンナビノイド植物化合物の間の、相加的または相乗的な相互作用により説明できるでしょう。
「抽出物中の他の成分が、期待される抗炎症作用を達成するために、CBDと相乗作用する可能性があり、それが精製されたCBDのベル型の用量反応の克服に貢献していると考えられます。」と、イスラエルの研究チームは推測しました。

科学者たちはまた、CBD-豊富なカンナビス抽出物が、市販の鎮痛剤や抗炎症薬にどの程度匹敵するか検討することが重要だと感じました。
彼らは、純粋なCBDとクローン202の抽出物がともに、アスピリンよりも高い抗炎症効力を示すことを明らかにしました。
アスピリンは、TNFαの産生に対するわずかな阻害作用を示しましたが、これは、純粋なCBDやクローン202の強い抑制効果と比較するとごくわずかでなものでした。
また、トラマドールでは、その作用はみられませんでした。
他のカンナビス成分の存在下で、CBDが用量反応を改善するという主要な発見は、腫瘍細胞に対するカンナビジオールの抗増殖効果と膀胱収縮に対するCBDの阻害効果に関する最近の報告によっても支持されています。

「多くの研究では、治療用途を目的とした理論的根拠を見つけるために、伝統的な漢方薬の単一成分を単離し、特徴づけを行ってきました。」イスラエルの研究チームは、「しかし、他の研究と合わせて考えると、我々のデータは、これまで単独の合成薬物を用いて治療されてきた疾患の治療に、新世代の植物性医薬品を導入するための正当性を提供しています。植物抽出物で観察された治療の相乗効果により、治療のために必要とされる活性成分が少なくて済み、結果的に副作用を減少させることができます。」と、結論付けました。

出典:PROJECT CBD
この記事はPROJECT CBDに掲載されたものを翻訳しています。

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