子供のための大麻オイル パート1 〜CBDオイルとウエスト症候群の場合〜

 

『ほかにはどうしようもなかった。』

アメリカの医療大麻を使用している子供達とその家族の姿を追ったドキュメンタリーをご紹介します。

ペンとニコール・マティソンの娘、ミリーはてんかんの一種である、ヒプスアリスミアを伴うウエスト症候群(点頭てんかん)を患っていました。生後4か月を迎えるころには、彼女は一日で700以上ものてんかん発作を起こしていたのです。マティソン夫妻は数えきれないほどの投薬治療と、あらゆる食事療法を試みましたが、残念ながらミリーに改善の兆しは見られず、明日をも知れない毎日を過ごしていました。

『出来ることはすべてやりつくした』

彼女の主治医がそう伝えたとき、マティソン一家は、更なる代替療法を求めてコロラド州へ旅立ちます。そして、彼女に初めてCBDオイルを投薬したとき、ついに生まれて初めてミリーはしっかりと目を覚まし、周囲を見渡すことができたのです。

母親であるニコールの目からは、涙が止まりませんでした。

その後90日までに、ミリーの一日のてんかん発作の回数が7割以上も減り、一度はミリーの改善を諦めかけた両親も、今はいつかミリーが自分の足で立ち、歩き、話す日がやってくるかもしれないと希望を取り戻すまでになりました。マティソン夫妻は、苦しい日々を戦いながらも、医療用大麻とCBDオイルの可能性を追求するために前進する必要があると訴えます。

CBDオイルに希望を託す両親

マティソン夫妻のように重症なてんかん患者である子供を抱える両親やがんを患う子供の両親のなかには、CBDオイルに希望を託している人たちがいます。CBDオイルは大麻抽出物ですが、向精神成分であるTHCを全く含まないか、含んでいてもその量は、ごく僅かです。

CBDオイルは現在アメリカの12以上の州で合法とされていてはいますが、まだほんの少ししか出回っていません。科学的根拠の不足が、法整備を鈍化させていて、服用量の基準すらも設定されていない状況です。長期間にわたる服用の副作用も、未だ明らかになっておらず、多くの医師がさらなる研究の必要性を主張しています。

シリーズ『子供のための大麻』では、アメリカのそんな現状をふまえた上でも他に選択肢を残されていない、難病を患った子供の治療のために医療大麻の使用に踏み切った両親の姿を追います。