DEAが合成THC薬のドロナビノールを承認

合成THCが合法化

昨年11月22日未明、米国麻薬取締局は合成THC薬(ドロナビノール)をスケジュールII指定に変更しました。アメリカの薬物スケジュールは、5段階で仕分けされていて、1が危険性が高い薬物であることを意味し、5になれば医療品としての使用されるケースが多く見受けられます。

今でも大麻はスケジュール1に分類されており、ヘロイン、MDMA、LSD、覚醒剤(アンフェタミン)なども同じ分類になります。しかし、スケジュール2にコカインが分類されるという構図は世にも不思議なことのような気がします。この点についてアメリカの議会で面白い議論がされていたので参考までにどうぞ〜

画像の12:57分から議員とアメリカ薬物政策副長との会話翻訳は実に適確な主張であると思います。

大麻と同じ分類にあるヘロインや覚醒剤の使用者は、死亡するリスクが高いことが挙げらています。現に世界中のどこかで毎日のように大量に摂取したことによる死亡が後を絶ちません。しかし、歴史上大麻で死亡した例はないのです。にも関わらず、大麻をスケジュール1に指定し続ける理由は、どこにあるのでしょうか?

大麻は、ハードドラックの入り口とされ、大麻からコカイン、ヘロイン、覚醒剤とハードドラッグに手を染める傾向にあると薬物研究者は述べています。
日本の薬物教育でもゲートウェイ理論を参考にしていると思います。

動画を最初から最後まで見た人はもうお分かりだと思いますが、本当の意味での薬物の入り口はアルコールだと考えることが理にかなっているでしょう。
でも、堂々のCMしたりする傾向には毒性があるにも関わらず、政府が公認しているだけの話なのです。

ドロナビノールは液状の合成THC薬で、癌の化学治療によって起こる吐き気・嘔吐の治療に使用されています。またHIV感染者における食欲減退や体重減少の治療にも使用されています(実際にDEAは液状の合成THCを承認しましたが、そう言うと「大麻」ほどキャッチーに聞こえません)。

表面上は悪いことのようには聞こえません。ドロナビノールはHIVやがんの患者に役立つ薬です。しかしさらに掘り下げて、この医薬品を製造する会社について知ると、物事が少し明らかになってきます。

合成THCの裏にある真実

FDA(食品医薬品局)に承認された液状のドロナビノール薬はシンドロスという名前で販売されており、インシス・セラピューティクス社が製造しています。数年前、このアリゾナ州チャンドラーに拠点を置く製薬会社は大麻合法化に反対する運動に膨大な金額を寄付しました。

今年のはじめ、インシス社の創設者ジョン・カプールが詐欺および恐喝容疑で逮捕されました。カプールおよびその他重役らは、非常に中毒性が高く致死的である可能性もあるオピオイド鎮痛剤であるフェンタニル・スプレー、サブシスの処方を後押しした医師に報酬を渡していたことで告発されました。(収賄で告訴されたのはこれが初めてではありません)

揚げ足と取る訳ではありませんが、詐欺で逮捕された会社の合成THC製薬ってどうなんでしょうか?恐喝ともなれば一派な犯罪者集団ですよ。そんな会社がなぜアメリカ政府公認の製薬会社になれるのか、それは利権以外の何者でもありません。医療の現場にそのようなことがあってはいけませんし、許したりしてはいけません。

インシス社を非難

いかがわしい行為があまりに多く行われています。第一、なぜ連邦捜査局は怪しい過去を持ち、現在犯罪捜査を受けている製薬会社に対して合成THCを承認したのでしょうか?この発表をアメリカ感謝祭前にしたことは何か関係があるのでしょうか?感謝祭前日は何もしないものです。銀行員や会計士ですら午後には仕事から退社するような日です。こそこそしているとはこのことです!

第二に、インシス・セラピューティクス社は大麻合法化に反対するために大金を寄付しました。利己心が働いているように感じませんか?2016年に行われたアリゾナ州大麻合法化反対運動に寄付された50万ドルの寄付は、単体では大麻反対運動に対する最大の寄付だったと考えられています。実質的に違法なことではありません。しかしその見方は、患者の利益を最優先することとは一致しません。インシス社は天然THCバージョンではなく自社の合成THC薬こそが、苦しむ患者にとって唯一の選択肢であるかのように訴えかけています。

そもそも、なぜ合成THCが必要なのでしょうか?雑草のように生える大麻を複製するため、常に資金と資源を消費しなければなりません。この件は信じられないようなことなので、それだけで1本の記事にまとめることができるくらいですが、さらに大きく不当であるのはDEAがドロナビノールを承認することで、合成THCを定義上薬効があるとされるスケジュールII指定に変更したということです。地球上に生えている大麻がヘロインや覚せい剤とともにスケジュールIに指定されている一方で、この新たな合成THC液は医薬品と見なされるのです。信じられません。

DEAの行動も注目に値します。なぜならDEAはインシス社に、液状THCドロナビノール(ジェネリック名)を製造・販売する独占権を与えたのです。これによりインシス社は競合他社の心配をしなくてよくなります。シンドロスというブランド名以外で販売される合成THC薬は引き続き、LSDやヘロイン、大麻とともにスケジュールIに指定されます。

なぜDEAはあまり信用できそうにない企業に対して、存在する必要すらない製品の販売権を与えるのでしょうか?確かなことは誰も分かりませんが、本件に関しては引き続き新たな情報をチェックしてお知らせします。