医療大麻が癌患者に対して合法に!キプロス

ヨーロッパでも厳格であったキプロスが医療大麻合法

ヨーロッパの中でも大麻に対して厳格な法律を設けていたのでがキプロス国家です。キプロスって国すら知らない方もほとんどだと思いますが、トルコの下に位置し、360度地中海に面した国です。

アメリカよりも医療大麻に柔軟な姿勢を示してきたヨーロッパですが、キプロスでは大麻所持で有罪となれば、最長8年の懲役刑となる可能性があるというほど厳しい体制で取り締まりを行っていました。ではなぜそんなキプロス国家が癌患者のみを対象とし、医療大麻を合法にするという方針を打ち立てたのでしょうか?

そこには国民感情が変化をもたらしたと言えるでしょう。世界各国で医療大麻のニュースを目にしない日はなく、医療大麻や大麻オイル、CBDオイルで持病が緩和されたなどの効果や効能記事は多くの人の感情に刺激を与えています。

欧州の大麻合法化に向けた動き

キプロスでは医者が医療大麻の処方箋を準備し始めていますが、残念なことに医療大麻は合法化されるべきという判決をキプロスの裁判所が下した1日後になくなったジョルジョ・マイケルにとっては遅すぎました。

悲しいことに多くの患者には遅すぎた合法化

残念ながらキプロスにおける医療大麻合法化が遅すぎたのはジョルジョにとってだけではありません。医療大麻へのアクセスを申請し、許可を得た多くの癌患者にとっても遅すぎました。申請した癌患者の約半数が、症状の治療に役立つ薬を得る前に亡くなりました。

プロセスには大きな遅れがありました。民主国民党のエウドカスは、ジョージ・パンボリディス厚生相が変化を起こすために十分な力を行使しておらず、現状を維持しようとしていると言います。キプロスにおける大麻オイルへのアクセスの遅れの背景には、イデオロギー、政治、個人的関心が関わっているとエウドカスは述べました。

キプロスにおける医療大麻:煩雑なシステム

キプロスは2017年7月に医療大麻を合法化しましたが、その政策は問題だらけです。医療大麻を求める患者は長期間待たされる上、厚生相から許可をもらわなければなりません。さらに癌患者は、輸入され、薬局によって供給される大麻オイルを使用します。政府は医療大麻を管理しなければなりませんが、このプロセスをより迅速にさせることが求められています。

少なすぎる適応疾患リスト

キプロスにある大麻支持団体フレンズ・オブ・カナビスは、多くの人々が医療大麻を必要としているので、より広範囲の患者層に適応するべきだと言います。重症ではないが疼痛に苦しむ患者もアクセスを得るべきです。現在は癌患者しか医療大麻の入手を認められていません。

キプロスは大麻栽培に理想的な土地

輸入された大麻オイルを使用する代わりに、自国で医療大麻を栽培するべきだとエウドカスは考えています。キプロスの気候は、ヘンプや大麻の栽培に適しています。パフォス地方のカンナビュー、ニコシア地方のカンナビアなど大麻にまつわる地名もあります。国際的に禁止される前、大麻は数千年にわたってキプロスで栽培されていました。

自国で医療用の大麻オイルを生産すれば、製品の価格も低下し、経済的な恩恵もあるので、キプロスは医療大麻を輸入するのではなく輸出するべきだ、とエウドカスは考えています。

キプロスの医療大麻合法化への動きは少しずつの歩みですが、国際的な流れにしたがってより機能的なプロセスに変化していく必要があります。

キプロスで行われたのは、医療大麻を癌患者だけに認めるというかなり限定的な合法化であるようです。アメリカの各州を含め、世界各地の医療大麻事情はさまざまで、それぞれの課題を抱えています。日本で医療大麻合法化の議論を進めていく際は、ぜひ世界の状況を参考にしてより効率的な合法化を行える体制が必要となってくるでしょう。