リウマチとは関節や関節の周囲の骨、腱、筋肉などに痛みが起きる病気です。完治させる薬はなく、症状を緩和する薬物療法が中心となっています。悪化すると歩行が困難になったり、合併症を起こしたりすることもあり、常に痛みに対処しなければなりません。鎮痛効果、抗炎症効果など多くの効能を持つCBDはリウマチにも効果があるのでしょうか?
目次
リウマチの基本情報
リウマチは関節に炎症を引き起こす慢性炎症疾患です。リウマチ性疾患、関節リウマチとも呼ばれています。リウマチは、免疫の異常が起こり、免疫が自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。一部の患者においては、関節だけでなく肌、目、肺、心臓、血管など幅広い部位に症状が起こることもあります。
①リウマチの症状
リウマチには以下のような症状があります。
- 触ると痛い、熱を持った関節の腫れ
- 関節のこわばり(特に朝など長時間静止していた後に悪化)
- 疲労感
- 発熱
- 体重減
初期のリウマチでは、熱っぽい、だるい、などの症状が続き、その後、手足の指の関節など小さな関節にまず症状が出始めます。病気が進行すると、手首足首、肘、膝、腰、関節などより大きな関節に症状が広がります。通常、左右対称的に症状が出ます。さらに悪化すると、関節が破壊され、筋肉が萎縮するなどして、関節が変形します(リウマチ変形)。
またリウマチ患者の約40%は関節以外にも症状が出ます。
②リウマチの原因
リウマチのはっきりした原因はまだ分かっていません。ストレス、感染症、怪我、出産など、何らかの原因で免疫に異常が起こり、免疫が滑膜を攻撃し始めます。その結果、炎症が起こり、滑膜が厚くなります。それによって最終的に関節内の軟骨や骨が破壊されてしまいます。
リスクファクター
- 性別:女性の方が男性よりリウマチを発症しやすい傾向にあります。
- 年齢:何歳でもリウマチを発症することがありますが、30〜60代が最も多いとされています。
- 遺伝:家族の誰かがリウマチだと、リウマチ発症率が高くなります。
- 喫煙:リウマチを発症しやすい遺伝的素因を持っている場合、喫煙はそのリスクを高めます。
③リウマチの合併症
リウマチと並行して発症しやすい疾患があります。
・骨粗しょう症
リウマチ自体も、リウマチの一部の治療薬も骨粗しょう症のリスクを高めることがあります。
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・リウマチ結節
主に肘などできやすい固く小さなしこりです。痛みはありません。
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・目・口の渇き
リウマチを患っていると、涙や唾液の分泌が減少するシェーグレン症候群を発症しやすくなります。
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・感染症
リウマチやその薬物治療によって免疫が下がり、感染症にかかりやすくなります。
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・手根管症候群
手首に起こったリウマチによる炎症が手につながる神経を圧迫する疾患です。
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・心疾患
リウマチは動脈硬化や動脈閉塞、心嚢の炎症リスクを高めます。
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・肺疾患
リウマチ肺と呼ばれる肺炎の一種や肺線維症を引き起こすことがあります。
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・リンパ腫
鎮痛や炎症を抑えるために使われます。
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④リウマチの治療
リウマチを完治させる薬はないので、薬物療法を中心にさまざまなアプローチで症状を緩和し、また病気の進行を食い止めることを目指します。
薬物療法では複数のタイプの薬が使用されます。一部の薬には腎障害、肝障害など重い副作用が起こることがあります。
・ステロイド薬
コルチコステロイド薬は鎮痛、抗炎症、また関節の破壊を遅らせるために使われます。
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・DMARDs(疾患修飾性抗リウマチ薬)
関節リウマチの進行を抑え、関節や組織を破壊から守ります。
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・生物学的製剤
生体応答調節剤(BRM)とも呼ばれるこのタイプの薬は、関節や組織の損傷をもたらす炎症を引き起こす免疫系を標的とします。
- また以下のような手術が行われることもあります。
・腱修復手術
炎症や関節の破壊によって関節の周りの腱が緩んだり、破裂したりすることがあります。その腱を修復する手術です。
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・関節固定手術
変形による神経が圧迫される場合、それを防ぐため、また鎮痛の目的で関節を固定する手術を行います。
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・人工関節置換術
膝や股関節の損傷を受けた関節の一部を、人工関節と置き換える手術です。
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研究で示されるCBDのリウマチに対する効果
大麻草やヘンプに含まれるカンナビジオール(CBD)には強力な鎮痛効果や抗炎症効果があることが、多くの研究で明らかになっています。このためリウマチにおける痛みや炎症を抑えてくれる可能性があります。
2006年に行われた研究で、5週間に渡って関節炎患者にCBDオイルを投与したところ、痛みや炎症が軽減されたことが分かりました。また関節リウマチの進行を遅らせることができました。またそれより前の2000年には関節炎のマウスを使った研究では、CBDが関節の破壊の進行を遅らせることが分かっています。
別の研究ではCBDが局所的なTリンパ球の機能や活動を抑制することが証明されました。Tリンパ球は健全な免疫反応を生み出すのに必要な白血球の一種ですが、関節リウマチの発症において大きな役割を果たしていることが分かっています。つまりCBDはリウマチの原因の一つになりうるTリンパ球の過活動を抑えることができるのです。
CBDが含まれる製品には、オイル、チンキ剤、錠剤、外用品、ヴェポライザーなどさまざまな種類があるので、自分にとって使いやすい摂取方法を選ぶことができます。CBD製品はアメリカや日本などで健康補助食品として入手することができるので、アメリカではすでに多くのリウマチ患者がCBD製品を使用しています。
3.自宅でできるリウマチのセルフケア
薬物療法や手術などの治療のほか、症状を緩和するために自分でできるセルフケアもリウマチの治療においては重要です。これらのセルフケアと薬物療法を組み合わせることで、生活の質を向上させることができます。重要なポイントは体をリラックスさせることです。
・軽い運動
体を動かすことで、関節周りの筋肉を鍛え、関節が固まるのを防ぎます。また疲労感を軽減することもできます。運動を始める前に医師に相談しましょう。
・温める/冷やす
温めることで痛みを緩和し、緊張した筋肉をリラックスさせることができます。日本では温泉療法なども有効です。一方、冷やすことでは痛覚を鈍くさせることができます。患部が腫れて熱を持っているときは冷やすようにしましょう
・食事療法
リウマチでは基本的に食べていけないものはありません。リウマチは慢性消耗性疾患なので、体力を養うために高カロリー&高タンパクの食事を心がけるとよいでしょう。また魚油サプリメントが関節リウマチの痛みや硬直の緩和に有効であることを示した研究もあります。青魚やシードオイル(ヘンプシード、カシスシードなど)にはオメガ-3脂肪酸やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、積極的に摂取することが推奨されます。
4.まとめ
関節リウマチは日本でも推定100万人が罹患している比較的身近な疾患です。自分が罹患していなくても、リウマチについて知っておくことで周りの患者さんを理解し、助けることができます。魚油サプリメントやCBDオイルなど、リウマチに効果的なサプリメントを提案してみるのも良いでしょう。CBDオイルは今、日本でもオンラインショップで購入することができますが、高品質のオイルであることを保証するには正規代理店から購入することをお勧めします。