FDAがカンナビジオールを新生児低酸素性虚血脳症(NHIE)の治療に指定

GWファーマシューティカルズ社は、米国食品医薬品局(FDA)がカンナビジオール(CBD)を希少疾病用医薬品に指定したことを発表しました。NHIEとは、出産過程で起こる、または出産時の酸欠(低酸素状態)の結果仮死によって引き起こされる急性または亜急性脳損傷です。

アメリカにおけるNHIEの発症頻度は、分娩1000例中1.5〜2.8例、または1年あたり6500〜12000件です。そのうち35%は早期に亡くなり、30%は永久的な障害を負う可能性があります。現在NHIEの治療に特に適応されたFDA認証済みの薬剤はありません。

GW社はこの患者集団において使用できる静脈注射用のCBD調合液を開発しました。GW社は2015年半ばに新薬治験開始申請書(IND)を提出するために、また2015年後半に第1相臨床試験を開始するために、FDAや専門家と前IND会議を行いました。

GW社は2008年以来、動物モデルのNHIEにおけるCBDの神経保護効果に関する前臨床研究を行ってきました。この実験の公表文献によると、CBDは脳が低酸素状態になった幅広い動物の新生児において神経学的障害を抑制したことが分かりました。

「GW社は引き続き、まだ満たされていない重大な必要性によって特徴付けられる、稀な小児疾患におけるカンナビノイド薬の開発機会を探求します。カンナビジオールの希少疾病用医薬品指定は数年にわたる前臨床評価に続くものです。私たちは今年後半にこの重要な医学的疾患における臨床的開発計画を進展させるのを楽しみにしています」—GW社会長ジャスティン・ゴーヴァー

希少疾病用医薬品指定について

オーファン・ドラッグ法によってFDAは、稀な疾患や病状(一般的にアメリカで患者が20万人以下の疾患)の治療に適応する薬剤に対して、希少疾病用医薬品の指定を与えることがあります。

特定の疾患を治療するために特定の活性成分に関してFDAの承認を受け、FDAによる希少疾病用医薬品指定を受けた最初のNDA(新薬承認)申請者は、7年間にわたるその薬剤と使用に関して独占販売期間を与えられます。

しかし、申請者が薬剤の十分な量を保証できない際、または別の申請者が臨床的に優れたバージョンの薬を実証することができた際は、最初の申請者による独占販売期間は無くなります。