CBDオイルの副作用とは?

目次

CBDオイルとは

カンナビス植物(大麻草)には、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、カンナビゲール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビトラン(CBT)など、同定されていないものを含めると、100種類以上もの、生理活性を持つカンナビノイドと呼ばれる物質が含まれています。

これらのカンナビノイドは、多発性硬化症、慢性疼痛、てんかん、精神性障害、炎症性疾患、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、がんなどさまざまな症状の改善に効果があると考えられています。その中でも、特にCBDは、向精神性がなく、ドラベ症候群などの難治性のてんかんの発作の軽減に効果的であると注目されている成分です。

このCBDが注目を集めるようになった大きな理由は、てんかんの発作や痛みの軽減に効果があるだけでなく、副作用がほとんど見られないためです。CBDが難治性のてんかんの治療薬として注目を集めるきっかけとなった、シャーロットちゃんの例では、週に300回もの大発作を制御するために、さまざまな治療薬を試しましたが、そのほとんどは、重篤な副作用を引き起こしました。一方、CBDオイルは、強い薬のような副作用もない上に、THCのような中毒性もないと言われています。今回は、CBDの副作用について調べて、まとめました。

医療マリファナの副作用

医療マリファナには、鎮痛作用、催眠作用、食欲増進作用、吐き気の抑制効果、鎮静作用など、さまざまな効果があることが知られており、古くから医療の現場で用いられてきました。

日本では、THCを含む医療マリファナは違法ですが、既存の治療薬では効果が見られないような患者に効果がみられる場合もあり、海外では、現在でもしばしば実際の治療に用いられています。アメリカでも28州で医療大麻が合法化されています(2017年現在)。

医療マリファナには、THCだけでなく、CBDやCBCなど、何種類ものカンナビノイドが含まれており、アルコールやたばこに比べて依存性が低いと言われているものの、カンナビス植物中に最も多く含まれるカンナビノイドであるTHCには、向精神性があり、麻薬中毒を引き起こす原因になります。

また、THCは脳に存在するレセプターに結合し、神経細胞に影響を与え、意欲の低下、不安の増大、記憶障害などの副作用が起こると考えられています。

医療マリファナの場合は、高濃度のTHCを含む麻薬とは異なり、成人においては重篤な副作用はないと言われているものの、脳の発達過程にある未成年には、使用しない方が良いというのが一般的な考え方です。

CBDオイルの副作用はあるの?

CBDオイルが難治療性のてんかんや慢性疼痛などこれまでの治療薬で十分な治療効果が見られなかった症状に効果があることが明らかになってくると、その有効性や副作用に関して、さまざまな研究が行われるようになりました。

CBDオイルの副作用に関する包括的な調査の結果から、血圧、心拍数、体温、グルコースレベル、pHレベル、肺と血液の間の酸素と二酸化炭素の交換効率、赤血球容積、食べ物が胃を離れて腸を通過するのにかかる時間、嘔吐行動、体温、カリウムとナトリウムのレベルに対して、CBDは有害な影響を及ぼさないことが示されています。

また、健康な人に30日間、CBDを一日10~400mg投与した実験での慢性的なCBDの使用によっても、神経学的および精神学的な副作用も見られないことも、明らかにされています。さらに、ハンチントン舞踏病患者に、6週間の間一日あたり700mgのCBDを投与した例でも、副作用は見られなかったことが報告されています。これらの研究の結果から、CBDは、ヒトに対して広範囲で耐用性があると考えられています。

CBDオイルの副作用

CBDオイルの副作用については、ほとんどないと考えられていますが、人によっては、軽度の副作用がみられる場合があります。

代表的なものとしては、

・肝臓の薬物代謝の阻害/ p-糖タンパク質および他の薬物輸送体の活性低下
・口渇
・パーキンソン病患者の震えの増加
・低血圧
・ライトヘッド
・眠気

などが挙げられます。

そのほかに、疲労、下痢、食欲の低下などの副作用を示す場合もあります。また、これらの副作用は製品の品質によるものである可能性があることも示唆されています。

さらに、特定の病気にかかっている場合は、CBDオイルの摂取により健康被害が生じる可能性があります。CBDには、抗凝固剤としての作用があり、CBDを摂取すると血液凝固剤の作用を阻害することが知られているため、血友病などにかかっている場合は、CBDオイルを摂取しない方が良いと考えられています。

また、初期の研究では、パーキンソン病の患者において、高用量のCBDを摂取すると、震えや筋肉の動きを悪化させたという結果が報告されており、高用量のCBDオイルはパーキンソン病を悪化させる可能性が懸念されています。

血友病やパーキンソン病だけでなく、何らかの病気にかかっている場合は、CBDオイルを摂取する前に、かかりつけの医師に相談したほうが良いでしょう。

妊娠とCBDの副作用

動物実験の結果から、THCは着床や排卵に影響を及ぼす可能性があるものの、CBDは妊娠初期には悪影響を及ぼさないことが確かめられています。また、CBDには子宮の収縮を抑制する効果があることが報告されており、出産時には何らかの影響を与える可能性があると考えられます。

もう一つ、妊娠中に、CBDの摂取により、胎盤の透過性が上がることが、培養細胞の研究により確かめられています。実際にヒトの体内でどのような作用を及ぼすかは、明らかにはなっていませんが、CBDの摂取により胎盤の保護機能が低下し、母体が摂取した薬物や有害物質などが胎盤を通過して胎児に到達する可能性があることを示しています。

これらの可能性を考えると、妊娠中には、CBDオイルの摂取を控えた方が良いと言えるでしょう。

CBDと薬物との相互作用

CBDの副作用の一つとして、肝臓における薬物代謝を阻害し、p-糖タンパク質および他の薬物輸送体の活性を低下させる作用があることが知られています。肝臓には、シトクロムP450という、いくつかの酵素があり、それらが、体内の有害物質や摂取した医薬品を代謝し、その作用を抑制します。

CBDは、このP450酵素の活性を抑制して肝臓における薬物の代謝を抑制し、薬物の効果を増大させてしまう可能性があります。

血圧が高い人が血管拡張剤などを服用している場合、グレープフルーツを食べてはいけないと言われますが、これも、グレープフルーツに含まれる成分が、CBDと同様に肝臓中のP450酵素の活性を阻害することで、これらの薬物の代謝を阻害し、血中の濃度を増加させて、薬の効きすぎによる健康被害が現れるのを防ぐためです。

そのため、他の薬を服用している場合は、安易にCBDオイルを摂取することで、薬の効きすぎによる副作用が現れる可能性もありますが、CBDと薬物との相互作用は、体にとって悪影響があるばかりではなく、有益な効果を示す場合もあります。

てんかんのこどもの臨床研究で、CBDが抗てんかん薬のクロボザムの代謝を抑制し、バイオアベイラビリティを向上させることで、効率的に発作を管理できた例が報告されています。

いずれにしても、他の薬を服用している場合は、CBDオイルを摂取する前に、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。

欧米ではCBDオイルを摂取して持病や疾患などに効果があるとされる事例を数多くあることから、まずはCBDオイルについてどういったものなのかを把握した上で購入するよう心がけましょう。