消化不良と内因性カンナビノイドの関係性

機能性消化不良とは

「どこも悪くありませんよ。考えすぎでしょう」

胃腸が悪い人たちは、何度もそんな診断を受けたのではないだろうか。考えすぎだといわれようと、痛いものは痛い。そんな悩みを持つ人々に一条の光が見えてきたようだ。「Psychotherapy and Psychosomatic」(精神治療学と精神身体医学)の最新号における報告があった。

機能的消化不良(FD)一般的な機能性胃腸障害(FGID)であり、慢性的な上腹部の徴候を特徴とする。胃腸障害だけでなく、時として気分や不安障害も伴う身体機能症候群である。

CB1受容体の働きを調査

機能的消化不良は、認識できる痛みの調節回路における異常な脳の一部的活動によって特徴づけられる。しかしながら、そこにどんな神経伝達物質系が含まれているかは明かされていない。

そこで、機能的消化不良患者と年齢、性とBMIがマッチした健常な対照者の間で、脳に分布する1型カンナビノイド受容体(CB1受容体)の有効性を調べ、比較を試みた。

12人の患者に対し、12人の健常な被験者は、CB1受容体放射性リガンド[18F]MK-9470で、陽電子放射断層撮影(PET:Positron Emission Tomography)を用いて、調査が行われた。

内因性カンナビノイド・システムの機能不全が原因か

患者のうち9人が、36±9.6ヵ月(25.2か月~50.4か月)にわたり、フォローアップ期間後、2度目のPET検査を受けた。

その結果、機能的消化不良患者の脳にCB1受容体がとても多く見られたことがわかった。CB1受容体は、恒常性や食欲のコントロール、侵害受容に関与している。

もちろんより規模を大きくして、再度調査する必要性があるが、今回の調査結果は、脳の一部による活動異常により機能的消化不良が起こっている可能性を示している。

おそらく内因性カンナビノイド・システムの機能異常に起因しているものであり、さらなる調査が期待される。

胃腸の働きにも関与する内因性カンナビノイド・システム。このシステムの機能をよりよく維持するためにも、外からCBDを補うことがおすすめです。