カンナビノイド配合製品による皮膚疾患への可能性

カンナビノイドの外用についてコロラド大学医学部の報告

コロラド大学アンシュッツ医学部の研究によれば、カンナビノイドには抗炎症性があり、皮膚疾患には広く治療に用いることができると報告されました。

合衆国皮膚科学学会誌で、カンナビノイド配合薬品が湿疹や乾癬、アトピー、接触性皮膚炎に有効性が認められたという事実が報告されました。

現在28州において、大麻草ユーザーのうちおよそ10人に1人が医療目的で大麻草を用いているという。吐き気や慢性的疼痛、食欲不振に対しての薬物使用について調査されると共に、多くの皮膚科医が皮膚疾患に対する大麻草の効能について模索しているという。

つらいかゆみへの適用に可能性

「おそらく今後期待できるカンナビノイドの役割として、かゆみへの使用というのが挙げられます」と、コロラド大学医学部の皮膚科学教授ロバート・ドゥラヴェイル博士は言う。

ある研究では、3週間にわたり1日2回、カンナビノイド・クリームを塗った患者21人のうち8人が、重篤なかゆみや疼きが完全になくなったと報告。かゆみを悪化させる乾燥肌の調整に、クリームが効果を発揮したのではないかとみられている。

ドゥラヴェイル博士はこのカンナビノイド治療において、何よりもその抗炎症性の大きさを指摘。マウス実験で研究者らは、大麻草を構成する活性成分のひとつTHCが、腫れや炎症を抑制したことを発見した。

外用を現実化するにはまず合法化を

「これらは向精神性がほとんどない外用のカンナビノイド製剤であり、皮膚疾患に使えるものです」とドゥラヴェイル博士は言う。

しかしながら、博士はこれら研究の大部分は研究所内で行われた物であり、大規模な臨床試験ではないことを強調。その実現にはより多くの州で大麻草の合法化がなされなければならない。

大麻草の向精神性が影響しないのであれば、カンナビノイドを皮膚疾患に用いるのは、現実的な選択のひとつとなることだろう。