アルコール企業が次に狙う産業とは?

アルコールが好きな人は誰もが一度は聞いたことがある【コロナ】ビール。瓶の形状で飲み口にレモンがついているオシャレなビールを想像する方は多いだろう。コロナなどのアルコールを販売する酒造販売大手企業の【コンステレーション・ブランズ】がカナダの大麻栽培会社に【キャノピー・グロース】に出資したのである。その規模は2億4500万カナダドル(約216億円)であることが発表された。

コンステレーション・ブランズ社は1945年に設立され、ビール以外にもワイン・蒸留酒などを扱うアメリカの大手企業が、なぜ対立してもおかしくない大麻企業に出資を行ったのであろうか。個人的にはクレバーな動きに思える。

嗜好品大麻が解禁されればアルコール企業に大打撃なのでは?

マリファナの特徴はアルコールと違い、強暴性にならない。記憶を完全に失うということはないことが知られている。依存度も低く、致死量が存在しない。(致死量を吸引する前に気絶するというのが正しいと研究者は言う)しかし、アルコールは気が大きくなることで暴力を誘発し、最悪のケースではアルコール依存症で死亡するリスクすらある。

欧米で嗜好品としてマリファナが解禁される中で誰が好んでアルコールを摂取するのか?そんな疑問を抱く方も多いだろう。日本人にとってアルコールは、娯楽として最強の地位を確立しているからそんな心情にはならないのだが、、、、

私たちは毎日秩序化された世の中で憤りを感じながら日々過ごしている。また女性は家事や子育てと多少なりともストレスを感じながら生活をしている。あぁ〜ってむしゃくしゃした時や気晴らししたいときに役に立つのがアルコールなのだから。

しかし海外は違うのだ。気分転換などでマリファナを摂取する文化である。合法にしろ非合法にしろ、タバコ感覚で気軽に手に入るこのだろう。マリファナでも高揚感を得られることが予想されるのだからアルコールの売り上げが減少するのではないか。。

実はその真逆なのだ。下記のような統計から見ても大麻が解禁されたからといってビール消費に影響がないことがわかる。

マリファナの合法化に絡み、マーケットの動きを注視している投資会社のひとつ、〈バーンスタイン(Bernstein)〉が、「合法マリファナは、ビールの売上に大きく影響しない」と示唆するレポートを公表した。むしろ「ビール業界をバックアップしている可能性がある」と。

〈週末における消費者の楽しみ:ビールとマリファナの関係を再考〉と題されたこのレポートによると、マリファナが合法化された当初こそビールの売上は減少したかのようにみえたが、依然としてビールとマリファナという古典的な組み合わせは相性の良いペアである、との結果が出た。

「(マリファナが解禁された州における)マリファナ合法化前3年間のひとりあたりのビール消費量は、全国平均よりも早い段階で1%減少していた。しかし、合法化後の消費動向は、全国平均とほとんど変わらない」

専門家の意見曰く、大麻とビールの相性が良いことからビール消費がそこまで落ち込むことはないとの見解を打ち出している。また、嗜好品大麻が解禁された州ではビール以外にもピザなどのジャンクフードが相乗効果で恩恵を授かるであろうと推測している。

このような結果からしても大麻企業とアルコール企業がお互いにタッグを組むというのは理想的な戦略なのかもしれない。休日は気分転換に有効的なのであれば誰も反対する人はいないだろう。健康問題とは少しかけ離れてしまうが、ストレスを溜め込むことの方が病気にかかるリスクが高いのではないだろうか。