南米地域で加速する医療大麻合法への動き

10月19日未明、南米ペルーで医療大麻の使用に関する法案が可決されました。投票の結果は、賛成68に対して反対が5という内容であったようです。世界遺産のマチュピチュがある国として知られていると思います。

ペルーが医療大麻を合法に踏み切った背景には、南米地域における大麻・マリファナに対する考え方がここ数年で真逆になったことが挙げられるのではないかと思います。世界で南米ではじめて医療大麻・嗜好品大麻を全面解禁したウルグアイ、コロンビアやチリなども医療大麻に限り合法になっています。少し離れたカナダではもう間も無く嗜好品の大麻が街中で販売されます。

本当の背景はアメリカにある個人的には思っています。今まで医療大麻を含める大麻製品をアメリカ主導のもと80年間禁止していたからです。しかし、そのアメリカでも世論の意見を無視できず、政府が完全に規制する力があまりなくなっているように感じます。

アメリカ政府は連邦法で大麻製品は違法という見解を示していますが、州法レベルで可決されたのであれば州法を尊重するという見解です。トランプ政権が誕生した大統領選挙と同じ日に各州で医療大麻や嗜好品大麻に関する州選挙が行われていました。

なぜそのような事態になっているのか?

一つは医療大麻で救える命や緩和が期待できる疾患数の多さでしょう。現在の調査は250の疾患に何らかの効果が期待できるという研究報告が挙げられています。

もう一つは、各州の税収があげることが期待されます。医療大麻や嗜好品大麻を販売する側と購入する側に課税制度を設けることによって大きな税収が見込まれるわけです。これは政府にとっても都合のいい話なのではないでしょうか。

さらに嗜好品大麻を解禁することによって犯罪を減らせるのではないかということ。しっかり法規制を行った上での解禁であれば、使用者は気軽に購入することができる、また今まで街中に配備していた取締官の動員コストも削減できます。

このように各国今の時代大麻を規制することより開放することにメリットを見出している国が多いという印象を受けます。