オズ博士「大麻はオピオイド中毒の“解決薬”になるかもしれない」

大麻は長い間反対者から「ゲートウェイドラッグ」だと言われてきましたが、 全国で最も著名な医師の一人は大麻には真逆の影響がある可能性を主張しています。オズ博士として知られるメフメット・オズ医師は、大麻はゲートウェイドラッグだとみなされるべきではないと考えているだけでなく、オピオイド中毒に関して“解決薬”になれる可能性があると主張しています。

火曜日の朝フォックスニュースに出演したオズ博士は、医療大麻反対者を非難しながら、医療大麻を擁護しました。

「医療大麻には偽善がまとわりついています。人々は大麻が麻薬へのゲートウェイドラッグだと考えています。本当は現在の麻薬蔓延から脱出させてくれる解決薬となるかもしれないのです」

またオズ博士は、連邦政府による大麻の現在の分類も批判しました。大麻がスケジュールI薬物に指定されているせいで、研究者がその潜在的な利点を完全に判断することが困難になっていると主張しました。

「スケジュールIに指定されているために研究することが認められないのです。個人的には大麻は役に立つと考えています」

DEA(麻薬取締局)によると、規制物質法によって定められるスケジュールIの分類は「現在認められる医学的用途がなく、高い乱用の可能性がある」となっています。大麻は中毒性がないことに加え、医学的有用性も証明されているので、スケジュールIにはそぐわないことが何度も証明されてきました。

参考のために、大麻がスケジュールIに指定されている一方で、オキシコドン、フェンタニル、コカイン、メタンフェタミンは全てスケジュールII薬物です。現在のオピオイド蔓延を招いた鎮痛剤の一つであるオキシコドンや、依存性の非常に高いコカイン、メタンフェタミンがスケジュールIIで、大麻がそれより上のスケジュールIとされているのはさすがにおかしいという印象を受けます。

先週の木曜日、カリフォルニア州議会は60対10で、大麻のスケジュールI指定解除を問う投票が行われました。これによってカリフォルニア州は、連邦政府に対して正式に変更を要求する初の州となりました。

オズ博士「大麻はオピオイド危機の解決に役立つ」

オズ博士が医療大麻を推進したのはこれが初めてではありません。2015年には自身の番組で、慢性痛の緩和に関して大麻がいかにオピオイド鎮痛剤より安全な代替薬か語りました。オピオイドの代替案として医療大麻を推奨しているのはオズ博士だけではありません。先週、オリン・ハッチ上院議員も大麻は処方されるオピオイドよりも安全な代替薬だと提言しました。さらに、医療大麻がオピオイド中毒の治療に役立つこと、さらに予防できることを証明する研究も数多くあります。

未だ多くの人々が「ゲートウェイドラッグ」理論に固執している一方で、それは真実ではないことが何度も証明されています。「ゲートウェイドラッグ」は、デニース・カンデルが40年以上前に提案した考えですが、彼女はその後これが誤りであることを証明しています。しかし、オズ博士のような著名人が医療大麻のために立ち上がってくれれば、この汚名がより早く払拭されるかもしれません。

深刻なアメリカのオピオイド危機

現在アメリカで蔓延しているオピオイド中毒問題に関しては、先日トランプ大統領も公衆衛生の非常事態宣言を出したほど深刻な問題になっています。オピオイド鎮痛剤とは、ケシから採取されるアルカロイドや、そこから合成された化合物でできた鎮痛剤で、薬の種類としては、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、フェンニタルなどがあります。成分で見れば違法薬物ヘロインと酷似しているもので、非常に依存性が高い薬剤です。またこれらの鎮痛剤で中毒になった人が、ヘロインに移行するということも問題になっており、アメリカでは1日100人以上がこれらの薬物の過剰摂取で亡くなっています。

そこで鎮痛剤の代替薬として医療大麻に注目が集まっているのです。がん治療の鎮痛剤としても使用されている医療大麻はもちろん、大麻成分のCBD(カンナビジオール)も鎮痛効果を持つとして注目されています。「鎮痛剤としてオピオイドではなく医療大麻を使用すべき」と主張するオズ博士のように、今後、代替薬になるとしてますます医療大麻を支持する声は大きくなっていくでしょう。オピオイド危機の深刻さを考えると、一刻も早い対策が取られることを願ってやみません。

参考:HighTimes