アメリカにおけるCBDオイル:混乱を招く法的状況

CBDオイルは非常に人気を集めています。しかしCBDオイルとは一体何なのでしょうか?大麻なのでしょうか?違法薬物とみなされるべきか、健康的なハーブ抽出物とみなされるべきか、どちらなのでしょうか?

 

Motherboardに投稿された記事が、CBDオイルに関する法ならびに大衆の認識について分析しました。

 

産業ヘンプから抽出されたCBDオイル

 

まず「産業ヘンプ」という言葉の説明から始めましょう。産業ヘンプとは、繊維、布、動物の餌、食用品、工業油、バイオ燃料などのために栽培されているカンナビス・サティバ草の一種です。一部の遺伝的変異体は、大麻の非精神活性カンナビノイドのひとつであるカンナビジオール(CBD)量を豊富に含みます。またこれらの種は、大麻の精神活性成分であるデルタ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)を微量しか含みません。

 

CBDは、THCによる効果を自然に中和します。このため、娯楽使用目的で栽培されている大麻は、THCによる恍惚効果をCBDの中和効果から守るためにTHCを高濃度、CBDを低濃度含むよう交配されています。カナダで行われた医療大麻に関する最新検査では、医療目的で栽培されている大麻の大半はCBDを含むよう交配されていることが分かりました。

 

数多くの病状に対するCBDオイル

 

Motherboardは、CBDはさまざまな疾患の治療に使用されているが、最もよく知られており、幅広く受け入れられているのはてんかん治療においてである、と報告しています。CBDは多くの場合、てんかんの発作を除去または抑制します。またCBDは抗炎症効果、鎮痛効果を持つとして幅広く使用されています。

 

CBDオイルは、医療大麻が違法な一部の州でも合法です。なぜなら、ヘンプはごく微量しかTHCを含まないからです。

 

無知は危険

 

ヘンプは生体蓄積します。すなわち、土壌から有害物質を吸収します。農薬や放射能によって汚染されたエリアを除染するのには優れていますが、それから薬を製造するのは致死的です。このために一部の人は、毒物によって汚染された安全ではない薬の摂取から患者を守るために、CBDを規制すべきだと考えています。

 

さらに、不適切に栽培・処理されていると、植物の上で成長する菌類によってマイコトキシンが製造されることがあり、製品に潜在的な毒性を付加します。一部の国では、医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準(GMP)認定を設置することでこの問題を解決していますが、アメリカにはそのような法令はありません。

 

CBDオイルの合法性

 

ほぼすべての州がそれぞれCBDオイルに関して独自の見解を持つため、状況は非常に複雑になっています。一部の州では、CBDオイルは医療大麻として扱われており、入手するためには登録患者でなければなりません。別の州では、無害なサプリメントとして見なされ、健康食品店の店頭で購入できます。そして一部のわずかな州では、完全に違法とされています。

 

この状況はおよそ馬鹿馬鹿しいものです。なぜならCBDオイルを違法とする州では、(全く精神活性化しない)CBDオイルが、精神活性化させるだけでなく死に至ることもあるヘロインと同じくらい悪いと考えられているからです。

 

CBDオイルはヘンプ製品であるため、実質的にヘンプ製品が合法であるすべての州で合法である、と一部の弁護士は主張しています。彼ら曰く、健康のためにヘンプシードを購入できるなら、法に違反することなくヘンプ抽出物を購入することも可能にすべきですが、私たちが知る限り、この主張はまだアメリカの裁判所で真価を問われていません。

 

アメリカはついにCBDオイルを考え直すか?

 

残念ながら、アメリカにおける保守主義の高まりは、CBDオイルの見直しが政治課題の上位に来ないことを暗示しています。また数十年前に国会議員によって決定された法律は政治的に動機付けられてきたため、政治的な決断のみがCBDオイルにまつわる混乱を解くことができると多くの分析家は信じています。