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マリファナに対するオランダ政府の対応

   

オランダの政策

西洋では、オランダだけが、大麻を非犯罪化する決定を行っている。過去20年間、オランダはや薬物政策で他国とは根本的に異なったアプローチをみせてきた(論評はEngelsman.1989)。オランダは国連麻薬単一条(1964)に署名し、同国の法律でも大麻が違法であることがはっきりしている。

だがオランダ政府は1976年、少量(当初は30g、その後1995年に5gとなった)の大麻の所持・販売を含む違法行為に対しては法律規定を執行しない政策をとることを決めた。「コービーショップ」チェーンはライセンスをとって少量の乾燥大麻や大麻樹脂を販売しはじめ、客は店内で吸ったり食べたり、持ち帰ったりすることができるようになった。

1980年代後半~90年代までは少なかった店舗が、現在ではオランダ全国で1000店を超えるまでになっている。店内に500g以上の大麻をおいてはならず、アフコールやほかの精神活性剤を販売することはできず、隣近所に迷惑をかけてはならず、宣伝もできず、未成年者に大麻を販売することも禁止されている。

こうした規則は厳しく監視され、違反するとライセンスが取り上げられ、店のオーナーは処罰されることがある。オランダの薬物政策の狙いは道徳的というより実用主義的で、大麻の売買を規制し、これをほかの不法で潜在的有害性の高い精神活性薬の供給源から切り離すことで「害の軽減」を狙っているのである。以下のコメントが、こうした立場を簡潔に言い表している。

タブーにし、地下社会に押しやるだけでは問題は解決しない。

だが、オランダの大麻政策の目的ははたして達せられたのだろうか? 国外の批評家の多くは退廃と大麻中毒になった若者のおどろおどろしい物語を伝えている。はたして事実はどうなのだろう。1976年の非犯罪化以降、大麻の使用量は急速に伸びたのか? オランダの大麻消費量はほかの欧米諸国に比べて高いのか? オランダの大麻消費量はほかの欧米諸国に比べて高いのか? 

18~20歳の若者の大麻消費について、もっと有効なかたちで比較している資料によれば、新政策はオランダの若者の大麻消費量におどろくほどわずかな影響しか与えておらず、消費量は新政策導入後数年間は変わらず、1980年代中頃になって上昇に転じている(MacCoun & Reuter.1997)。1984~1996年の間にオランダの大麻資料量は急激な伸びを見せ、18~20歳のグループの生涯吸引率は1984年の15%から1996年の44%に上昇し、前の月に吸引した人の割合も同じく8.5~18.5%へと上昇している。

だがこの年齢層の大麻消費量の急速な伸びは、禁止令を厳しく施行してきた米国やノルウェーでも1990年代に観察されている。おそらく「コーヒーショップ政策」の結果だろうが、1980年代にオランダの大麻消費量がほかのどの国よりも急速に伸びたといういくつかの証拠はある。だが非犯罪化から20年たったいまでも、オランダの若者ものの大麻使用量がほかのヨーロッパ諸国のそれと同レベルであり、米国のそれより低いという事実は変わっていない。

ソフトドラッグとハードドラッグを引き離すという意味でオランダの実験が成功したかどうかを判断するのは、さらにむずかしい。たとえばオランダのヘロイン中毒者の平均年齢が上がっているというデータがあり、ヘロイン中毒に引き込まれる若者の数が以前より減っているということはわかる。

1981年にはオランダのヘロイン中毒者の14%が22歳以下だったのに対し、現在の数値は5%以下だ。1995年時点で人口10万人あたりのヘロイン中毒者数はオランダで160人だったの対し、米国では430人。だが大麻と他の精神活性薬とのつながりもいぜん指摘されており、大麻使用者では非使用者に比べると、ほかの神活活性薬に手を伸ばしている率がはるかに高いのも事実である。この点でオランダの実験がその程度成功したかを判断するには時期尚早であろう。

オランダ式のアプローチを、ほかの多くの国にそのまま当てはめることとはできない。何より見て見ぬふりをすることが求められ、これはオランダ以外の国にはなかなかむずかしいだろう。コーヒーショップの客は表玄関から入って刑罰を受けることなく少量の大麻を購入していくが、店のオーナーが大麻製品を供給することができる法的な根拠はない。

オーナーは可能なところから大麻を入手し、それを裏口から運び込まなくてはならない。オランダで消費される大麻の半分以上は自家栽培品で、園芸技術を駆使し、THC含有量の高い新種を使用している。それ以外は輸入品で、主にモロッコから輸入される。だが、供給業者は、つかまれば厳しい罰則を課せられる可能性が高い。オランダ以外のヨーロッパ諸国は、オランダが麻薬目当てでやってくる旅行者のための安易な麻薬供給源となり、国境検査所がほとんどなくなった欧州連合内を通り、ほとんどリスクなしで大麻製品を持ち帰ることができるとして批判している。

オランダの世論も目下の規制緩和を諸手を挙げて歓迎しているわけではない。同国の政策自体にも理解しがたい部分がある。同国では過去10年の間、医療大麻がブームとなったが、政府は医療大麻を供給する法的根拠を認めていない。つまりマリファナが真っ当な医学的有用性をもつことをオランダ政府は認めていないのだ。

皮肉なことに1996年に出されたオランダの健康審議会の報告では、マリファナの医療利用を認める根拠が不十分であるとの結論に達している。だがこうした現状は最近になって、医療大麻を供給する政府機関を設ける動きが報じられたことで、変わりつつあるようだ。

現在までのところ、オランダのじっけに追随する国は現れていない。だが米国の幾つかの州では1970年代の一時期、大麻の所持が非犯罪化されている。オランダの場合と同じように、これによって大麻おしょうひりょうが著しく伸びることはなかったようである。(米国医学研究所報告1999年)

個人で使うための少量の大麻所持は、スペインやイタリアの全域、オーストラリアの一部の地域でも刑罰の対象ではなくなっている。ライセンスを所得した店舗で大麻製品の販売を認めるオランダの政策に追随する可能性がもっとも高い国はスイスで、同国ではハードドラックとソフトドラッグの供給を引き離す政策をとる動きが出てきている。フランス、ドイツ、英国は米国と同じように、禁止と処罰についての従来の政策を堅く守りつづけている。

出典:マリファナの科学

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