マリファナが脳細胞の成長を促す

セント・ジョンス、ニューファンドランド発:マリファナの支援者はついて、毎日大麻草を吸うためにもってこいの言い訳を手中にした。「臨床調査ジャーナル」の最新の研究によると、マリファナの喫煙には、脳の成長を促す可能性があることが発見された。

サカスチュワン大学の研究では、多くの麻薬の類には、脳細胞の増幅を抑える作用があるのに対し、ハツカネズミに合成カンナビノイドを投与した実験では、正反対の結果が出た。麻薬が脳に及ぼす影響についての研究は、麻薬中毒者の治療には欠かせないもので、とりわけ大脳側頭葉の海馬についての研究が急がれている。大脳側頭葉の海馬は、脳内の記憶形成を司る部位である。人の生涯を通じて、新しいニューロン(神経単位)を成長させるのが、この部位の珍しい特徴である。研究者は、これらの新細胞が記憶の発達を促し、うつ病や気分の変化を伴う精神疾患と戦うと信じている。

多くの麻薬……ヘロイン、コカインや、もっと一般的な所ではアルコールやニコチンなどには、これらの新細胞の増幅を抑える作用がある。マリファナにもこのような作用があるとこれまでは考えられてきたが、最新の研究では、正反対の結果が出た。神経精神学者のジャー・ジャング博士とその研究者チームは、マリファナのように作用する麻薬成分の総称であるカンナビノイドが、脳にどのように影響を及ぼすのか、実験した。

本チームは、非常に効能の高い、マリファナに含まれる化合物によく似た性質を持つ、合成カンナビノイドのHU-210が脳に与える影響を研究した。この合成の化合物は、世界中の嗜好大麻喫煙者が愛するTHCの100倍の強さがある。研究者チームは、定期的にHU-210を摂取したラットには、神経発達が見られることは発見した。

大脳側頭葉の海馬に、新しい細胞がたくさん誕生したのである。最新の仮説によると、うつ病は、大脳側頭葉の海馬が新細胞を発達させないことにより生じるとの研究報告もある。これが本当なら、HU-210はうつ病に対し、新細胞の発生を促すことにより、効力を発揮することができたと見られている。この事実がすべてのカンナビノイドに当てはまるかどうかは、まだ定かではないが、HU-210はたった1種類の化合物で、本実験に使用されたのは高純度のものだった。

「だからと言って、健康な一般人による大麻草の使用が、その人にとって必ずも有益であるとは限らない」と記念病院の心理学教授のウイリアム・マッキムは語った。「私たちは、この現象が人間の脳に当てはまるかどうかを、そしてそれが健康な人間にも当てはまるかどうかを解明しなければならない。また、天然のTHCにも効力があるかどうかも学ばなければならいない」

マッキムは、マリファナ喫煙は記憶力や認識力に悪影響を及ぼすと警告した。「これらの悪影響は、ヘビー・ユーザーによっては長期的になる場合がある」と語り、「学問の分野で飛躍と遂げたいなら体調にマリファナを吸わないことだ」と締めくくった。

たまに軽く一服する程度であれば、それは重大な結果をもたらさないだろう。大麻草の煙には発がん性があると言われてきたが、22年間に及ぶマリファナ研究(1985年から2007年9で明らかになった所によると、マリファナ喫煙と発がんには何の関連性もないことも結論づけられた。

しかし、大麻草の有益性は様々な研究がされるにつれて、ますますもってはっきりしてきた。マッキムによると、THCやそれに似た化合物の治療的有益性は少しも不思議でないとのことである。

「たくさんの化合物が特定された」と同氏は語り、「大麻草は、エイズに伴う食欲不振や、鎮痛、抗がん剤の副作用に伴う吐き気などに絶大なる威力を発揮する。緑内障にも効能がある」と述べた。

出典:大麻草と文明