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カンナビジオール(CBD)と多発性硬化症の関係性

      2017/08/09

カンナビジオール(CBD)と多発性硬化症

多発性硬化症(MS)は、生活の質(QOL)を大きく低下させます。
多発性硬化症は自己免疫疾患の一つで、免疫機能に異常をきたし、自分自身の神経(ミエリン)をカバーしている保護鞘を攻撃して破壊し、それにより様々な神経機能が障害されます。

多発性硬化症は、一般的に再発と緩解を繰り返します。
しびれ、震え、目のかすみ、めまい、ろれつが回らない、疲労などの症状により日常生活を送ることが困難になり、最も状態の良くない日には、一日中なにもできなくなってしまう場合もあります。
多発性硬化症の患者は常に疲労と困惑の中で奮闘しており、通常の生活を送るために、多大なエネルギーを必要としています。

CBDは多発性硬化症にどのような効果を与えるか

カンナビジオールを単独で、または他の治療と組み合わせて使用することで、その症状のいくつかを緩和することができるだけでなく、病気そのものの治療にも効果があります。
CB1及びCB2受容体に植物カンナビノイド(CBDなど)が結合して活性化されると、炎症の原因となるシグナル伝達タンパク質の分泌を阻害します。
それにより、炎症を抑え、ミエリンの保護鞘の破壊を緩和することができます。

また、CBDには神経を保護する特性があり、脳の構造および機能を維持することによって疾患の進行を遅らせることができます。
CBDは、多発性硬化症の患者の腸の動きを調節するだけでなく、最も苦痛な症状である、疼痛や痙縮を減少させることが示されています。

多発性硬化症は、免疫システムの異常で脳・脊髄や視神経の各所に炎症が見られる中枢神経系の自己免疫疾患です。
運動障害、感覚障害、視覚障害などの症状があり、再発と寛解(一時的な症状の回復)を繰り返す特徴があります。

植物性カンナビノイドのベンチャー企業であるGW製薬がサティベックス( THCとCBDが50対50で混合)の最初の対象とした疾患であり、ランダム化比較試験で多発性硬化症の痛み止めとしての薬効の有意性があった疾患です。
サティベックスを無作為に割り当てた患者の74%が、16週間の試験の終了までにベースラインから30%以上の改善を達成しています。
サティベックス処置の16週間後に、ベースライン時に重度の患者の91が中程度または軽度になっていると報告がされています。
患者への投与量は、1日平均で各THC成分とCBD成分は約20mgであったとされています。

カンナビノイド種類 : CBD,THC
作用機序 : CB1,CB2

CBDおよび多発性硬化症の研究

CBDと多発性硬化症に関連した研究の代表的なものをご紹介します。

論文1
酸化ストレスによる炎症の影響を軽減するための緊急治療戦略としてのカンナビジオール
George W. Booz
Free Radic Biol Med. 2011 Sep 1; 51(5): 1054–1061.

*活性酸素種の生成と酸化ストレスは、侵入する病原体と戦い組織修復を開始するために、免疫系においては重要な武器です。
しかしながら、それが過剰であったり分解されない場合には、免疫関連の酸化ストレスは、臓器の損傷および機能不全を引き起こす引き金にもなりかねません。

炎症および酸化ストレスは、多くのヒトの疾患の発生に密接に関与しています。
炎症と酸化ストレスはお互いに「養い合う」ことが知られており、有効な治療を行うためにはその関係を解明することが重要です。

しかし、さらなる証拠は、CB1およびCB2 Gタンパク質共役受容体およびそれらの内因性脂質リガンドを含む内因性カンナビノイドシステムは、治療的開発のための期が熟している領域であることを示唆しています。

CBDには、また、精神副作用を持っていないという利点があります。
そのため、エンドカンナビノイドシステムに作用する非向精神性カンナビノイドカンナビジオールは、マクロファージおよびミクログリアなどの免疫細胞上で抗酸化作用(比較的穏やかな作用であるが)や抗炎症作用を持つ薬剤を新規に開発するために、有望な出発点であると期待されています。

この論文では、 カンナビジオールが、病因および進行の一因として、免疫系の活性化と関連した酸化ストレスが関与することが知られている、多くのヒトの疾患および障害の治療に有用でることを示唆している最近の研究について概説しています。
これらの疾患には、慢性関節リウマチ、I型およびII型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、高血圧、メタボリック症候群、虚血再灌流障害、うつ病、および神経因性疼痛が含まれます。

論文2
カンナビノイドによる神経炎症疾患の調節
Viviane M Saito, Rafael M Rezende, and Antonio L Teixeira
Curr Neuropharmacol. 2012 Jun; 10(2): 159–166.

*近年では、内因性カンナビノイドシステムの研究に関心が集中しています。
カンナビスサティバの主要な向精神化合物である、Δ9テトラヒドロカンナビノール(THC)の単離は、他の神経伝達物質の放出を調節し、炎症反応のカスケードを含む多くの生物学的プロセスに関与する非定型神経伝達システムの発見につながりました。
その後、カンナビノイドは神経炎症性疾患における潜在的な治療特性のために、研究が続けられています。

このレビューでは、炎症過程の調節因子としてのカンナビノイドの機能について概説しています。また、多発性硬化症などの神経変性疾患の治療の展望の他に、その歴史的および生化学的な側面についても議論しています。

論文3
多発性硬化症のモデルにおいて、カンナビノイドが神経変性を抑制する
Gareth Pryce, Zubair Ahmed, Deborah J. R. Hankey, Samuel J. Jackson, J. Ludovic Croxford, Jennifer M. Pocock, Catherine Ledent, Axel Petzold, Alan J. Thompson, Gavin Giovannoni, M. Louise Cuzner, David Baker
Brain 2003 July, 126, 2191–2202.

*多発性硬化症は、CNSの炎症性攻撃により引き起こされる神経変性疾患として認識されていますが、今のところ満足のいく治療法はありません。
本研究では、多発性硬化症の動物モデルである、実験的アレルギー性脳-脊髄炎(EAE)を使用して、カンナビノイドシステムがEAEの際に、神経保護的に作用することを実証しました。

カンナビノイド受容体CB1が欠損したマウスは、炎症性および興奮毒性による生涯に対する耐性が弱く、EAEにおける免疫攻撃による実質的な神経変性が進行します。
さらに、外因性のCB1アゴニストは、実験的アレルギー性ブドウ膜炎のモデルである炎症性CNS疾患による神経の損傷から、有意に神経を保護します。
したがって、大麻はまた、症状管理に加えて、最終的には、多発性硬化症や他の疾患の慢性障害につながる神経変性プロセスを遅らせることができると考えられます。

論文4
多発性硬化症のウイルスモデルにおいて、炎症の有害な影響に対して、カンナビジオールが長期的な保護作用を示した
Mecha M1, Feliú A, Iñigo PM, Mestre L, Carrillo-Salinas FJ, Guaza C.
Neurobiol Dis. 2013 Nov;59:141-50.

*中枢神経系(CNS)における炎症は、多くの分子やエフェクターを含む複雑なプロセスであり、血液中の白血球の血液脳関門(BBB)を超えた血管外移動や常駐免疫細胞の活性化が必要となります。
麻(カンナビスサティバ)の非向精神性カンナビノイド成分であるカンナビジオール(CBD)が、強力な抗炎症および免疫抑制特性を有することが知られています。
しかし、この化合物が、どのようにTMEV誘発性脱髄疾患(TMEV-IDD)における炎症の有害な影響を改変するのかについては明らかとなっていません。

 本研究では、多発性硬化症(MS)のウイルスモデルを使用して、クログリアの活性化を減衰させると同時に、血管細胞接着分子-1(VCAM-1)、ケモカイン(CCL2およびCCL5)および炎症性サイトカインIL-1βの発現をダウンレギュレートすることにより、CBDが血液の白血球の遊出を減少させることを実証しました。
それだけでなく、ミクログリアの活性化を減衰させることもできます。

また、ウイルス感染の時点でのCBDの投与は、長期持続効果を発揮し、減少したミクログリア活性化および炎症性サイトカインの産生に関連して、疾患の慢性期における運動障害を改善します。 
アデノシンA2A受容体は、炎症の初期段階において、A2AアンタゴニストZM241385として部分的にCBDの保護効果をブロックし、CBDの抗炎症作用の一部に関与しています。

これらを合わせて考えると、本研究の結果は、MSのウイルスモデルにおいてCBDの抗炎症効果を強調し、CBDが炎症性成分を伴う病状の治療薬としての可能性を持っていることを実証しています。

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