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大麻と外傷性脳損傷

   

大麻と外傷性脳損傷

2011年、12歳のトレイが野球をして遊んでいた時、勢いのついたボールが頭にぶつかりました。そのすぐ後、けいれんと強い頭痛が起こりはじめました。

トレイの両親は複数の医薬品を試しましたが、どれも効果がありませんでした。
しかし、ある医師が大麻オイルの使用を勧めたのです。1回目の使用後すぐにトレイの症状が良くなったと報告されました。「大麻オイルが体内に入ると、トレイは頭に感じていた圧力が和らいだと言ったんです」トレイの母アンジェラ・ブラウンは言います。

これは、頭が猛打されたり、異物が頭蓋骨を貫通したりするときに起こる外傷性脳損傷(TBI)の事例です。脳には、身体損傷を受けたときに活性化する防御システムがあります。
しかしTBIを体験する人は時に、機能性合併症をもたらす深刻な神経および血管損傷に苦しみます。他の体の部位に対する肉体的な怪我と異なり、脳損傷は身体的問題(例:頭痛、視界のぼやけ、不明瞭な発語)をもたらしうるだけでなく、感覚、認識、感情および行動など他の機能を妨げる可能性もあるのです。記憶障害、判断力の衰え、気分変動、うつ、危険な行為など、人によって体験する症状は異なります。

TBIは従来、薬剤、手術、身体的リハビリによって治療されています。しかし、それぞれが体験する潜在的な重症度および症状の幅広さを考えると、TBIに苦しむ人々に対して、入手し得る全ての治療選択肢に関する情報を提供することが重要です。

TBIによる損傷の2段階

TBIには2段階の損傷があります。第一の損傷は、最初の打撃による流血、傷、および脳内の血液供給の損失に言及します。第二の損傷は、有毒化学物質が脳内で放出され細胞が腫脹する、神経化学的および炎症性損傷で構成されます。

たとえば、細胞間の信号伝達に関わる神経伝達物質、グルタミン酸塩が、脳損傷時に脳内で有害となります。グルタミン酸塩値は上昇し、潜在的に細胞損傷または細胞死を引き起こす脳細胞の興奮過剰をもたらします。 脳損傷の合併症のリスクを防ぐ、または少なくとも最小限に抑えるためには、第二の損傷を軽減することが重要です。

損傷が起こるとき、人体のエンドカンナビノイドシステムが脳内の代償および修復機構において作用します。このシステムには、活性化されると神経保護作用および抗炎症作用を引き起こす、内因性カンナビノイドおよび受容体が関わっています。

内因性カンナビノイドの一例に、大麻の活性成分テトラヒドロカンナビノール(THC)に似た効果を持つことが知られる2-アラキノイルグリセロール(2-AG)があります。ある研究では、2-AGがマウスにおけるグルタミン酸塩および炎症性化学物質の数値を下げ、脳内の血液供給を増加させたことが示されています。別の研究では、閉鎖性頭部外傷を受けたマウスの脳内で2-AGの数値が上昇したことが示されました。

研究者がその後に合成2-AGを投与したところ、脳浮腫(脳の腫脹および脳内の液体の蓄積)および梗塞体積(血液供給不足に起因する死細胞エリア)の縮小を観測しました。体内の2-AGと合成2-AGが協調して作用することもまた、機能回復を促進することが示されました。合成であろうと植物性であろうと、他のカンナビノイドは、エンドカンナビノイドシステムの防護能力を潜在的に強化することができるのです。

損傷前後における大麻使用の治療的有用性

TBIを体験する人々は、脳損傷の影響を抑えるのを助けるために、受傷後に大麻を使用することができます。たとえば、ある研究では、損傷から1~3日以内に低濃度のTHCを投与すると、THCが脳内の神経保護活動を引き起こすことができることが分かりました。

さらにカンナビジオール(CBD)は、動脈血流の閉塞によって身体が血液供給不足となる虚血状態を軽減することが知られています。CBDはまた抗炎症および抗酸化作用を持ちます。これはCBDがそれぞれ、炎症および細胞傷害遊離基の生成に反撃できることを意味します。

CBDはまたニューロン新生(神経組織の成長および発達)を促進し、シナプス可塑性(シナプスに存在する神経伝達物質の数および使用によって時間をかけて強化または弱化するシナプスの能力)に作用します。ニューロン新生およびシナプス可塑性は、脳を修復する2つの非常に重要な活動です。

脳損傷の影響におけるCBDの治療的有用性の結果として、一部のコンタクトスピーツ競技者は、治療に大麻を使用することを公然に推奨されています。1980年代半ばから1990年代にかけて活躍したニューヨーク・ジャイアンツの元ラインマン、レオナルド・マーシャルは2016年の大麻世界会議で、慢性外傷性脳症(CTE)の症状を緩和するために大麻を使用していたと話しました。

CTEは、アメリカンフットボール選手がその競技人生の中で経験する軽度ながらも確実な頭部損傷が原因で、フットボール選手によく起こる症状です。大麻の使用のおかげで生活の質が向上した、とマーシャルは話しています。

研究では、大麻の使用は脳損傷が起こったときに有益となる神経保護作用を持つことも分かっています。THC検査をされたTBIを持つ成人446人の登録データに関する遡及的検討では、THCの陽性反応が出た(損傷が起こったときに体内にTHCがあった)人の方が、陰性反応が出た人より80%も死に至る割合が低かったことが分かりました。別の研究では、損傷が起こる1〜7日前からTHCを投与された場合、低いTHC投与量が損傷後の長期的損傷から脳を保護することが示されています。

大麻投与および使用

大麻の効力は異なることがあり、それが頭部損傷に関する治療の源として信頼性を欠くと見なされる理由の一つです。投与量が多すぎると、さらなる認知的問題をもたらすことがあります。THCの副作用および精神活性特性は、記憶損失、めまいなど、TBIを患う人の付加的不快感の一因となることがあります。

しかし、THCの副作用は、使用者が投与量に十分気をつければ無効にすることができます。THCの神経保護特性を示す研究では、投与量が極めて重要だと研究者は述べています。重要なことに、 通常の大麻タバコに含まれるより1000〜10000倍少ないTHC量を投与したことによって脳に対する 治療的有用性が観測されました。

激しい頭痛があり、その痛みを緩和するために大麻を使用したパメラ・ハドフィールドは言います。「CBDが私に効いたのなら、きっとあなたにも効くでしょう」しかし、パメラもまた、適切に投与する必要性について警告しました。大麻バターや大麻オイルなどの大麻製品は、すでに商業的に入手可能です。
しかし、摂取すべき製品は、CBDとTHCの割合が少なくとも1:1か、もしくはCBD量はTHC量より必ず高くなければいけません。CBDは制吐(吐き気を抑える)剤および抗精神病薬なので、THCの副作用を無効化することができます。慎重に投与量に注意することは、これまで大麻を使用した経験のない人にとって特に重要です。これはTHCの精神活性効果に対する耐性が低い可能性があるからです。

TBIは不快感を起こし、生活の質を下げる複数の影響を持ちます。しかし、適正な投与量および偏見のない視点があれば、TBIを患う人は植物性カンナビノイドによって脳損傷の影響を弱めることができるのです。

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