ドイツ国会が医療大麻合法化を決定

ドイツの国会が医療大麻合法化を決定

ドイツ国会の下院である連邦議会は1月19日、医療大麻合法化を満場一致で決定しました。この出来事は驚くべきものではありません。連邦保健省は1年前から医療大麻を合法化すると約束していましたし、活動家や多様な政党は薬物法を緩和するために15年以上にわたって熱心なロビー活動を行ってきました。国会の上院は今月法案を“読み”、法案は法律になります。

癌、慢性痛、吐き気などを含む慢性的な病を抱える患者は、かかりつけの医者から処方箋を得ることができ、普通の薬局で入手することができるようになります。しかし数年前にドイツ法廷によってその場しのぎで承認された、自家栽培の不認可はそのままです。代わりに患者は、健康保険のもと費用が払い戻されます。政府大麻機関が設置(2018年予定)され、(政府によって監督された)国内栽培が開始されるまで、ドイツは主にカナダから乾燥大麻花および抽出物を輸入し続けるでしょう。

昨年認可を受けたドイツ企業、メドキャンGmbH社は、約5ヶ月にわたり乾燥大麻花を輸入しています。メドキャンGmbH社は2016年のクリスマス直前に、カナダ最大の商業栽培機関の一つで、供給元であったキャノピー・カナダ社に買収されました。プリヴァティア・インベストメンツ社が所有するキャノピー社およびティルレイ社のみが、現在、輸入許可を与えられた企業です。

(まだ)コロラド州ではない

医療大麻に対するドイツのアプローチはまだ、全体を合法化するよりも患者のケアに重点をおいた、比較的慎重なものです。患者は複雑な登録手続きに耐えなくてよくなりますが、一方で自家栽培については触れられていませんし、非特定化された患者情報はさらなる研究のためにドイツ連邦医薬品・医療機器庁(BfArM)に送られます。

結果として、現在イスラエルで大規模に実施されている大麻研究は、全く異なる段階に連邦レベルで突入します。それ自体が、国際的な医療大麻使用に関する全体的な議論を変えることになりそうです。短期的において、この決断が最終的に意味するものとは、大麻は悪ではなく、医療目的を持つとみなす国の一つにドイツが加わったということです。

嗜好用大麻に関する改革も進行中

大麻の医療使用を合法化する決断に加え、ドイツでは嗜好用大麻に関する法律を変えようとする圧力も強まっています。ドイツで唯一の“都市国家”であるベルリンも、ドイツで最初の管理された嗜好用新機軸を合法化しようとしています。ベルリンは何年もかけてBfArMからその権利を得ようと闘ってきました。オランダ式の“コーヒーショップ”ではまだないにしても、大麻はもうすぐ市内の一部の施設で購入できるようになるでしょう。

これらの重大な進歩は、特に大麻に関する国際的な姿勢が 流動的であることを考慮して、ドイツ人が常に大麻に関して異なる姿勢を保ってきたために起こっています。ドイツにおける最近の出来事は、ベルリンの“新機軸”がかなり短期間で他の都市にも広がりそうであることを意味します。どの土地、または“〜シュタット”においても、なんらかの形の違法薬物市場は存在します。

ブレーメンでは、昨年この分野で得られた小幅高を拡大するために、連邦政府に対する圧力をかけ続けるようです。ブレーメン市民は5株までなら個人的に大麻を栽培することができます。デュッセルドルフやフランクフルトでは、地元住民が制限された合法的品質の大麻を買うことができる小さな薬物販売エリアを設置する可能性を研究しています。

これらの変化が現在起こっているのは、国際的な大麻合法化の動きが理由です。もう一つの理由は、ヨーロッパにおける大規模な変化の到来を告げる、より強力な政治の風向きを受けた国民ムードに応えるための政治的な圧力です。

大半のドイツ人は、慢性的な病を抱える患者は医療大麻へのアクセスを与えられるべきであり、ストリートのディーラーを繰り返し逮捕するために警察に税金を使うよりは、規制され、課税されている企業から合法的に大麻を購入する方がいいと感じています。結果として、EUの命運を含む大きな圧力に直面しながらも、ドイツの政治家は 、国民に安全な大麻へのアクセスを提供する時が来たことを明らかに感じたようです。

出典:Culture